2017年07月22日

ペーター・ダムの至芸、ベルリン・クラシックスからの6枚


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これまでにベルリン・クラシックスから個別にリリースされていたペーター・ダムの演奏集がバジェット・ボックス6枚組にまとめられたことは高く評価したい。

ただし彼のドイツ・シャルプラッテン音源を網羅したものではなく、例えばブロムシュテットとのモーツァルトのホルン協奏曲集やバロック及びロマン派の作品集の少なくともCD3枚分が選曲から漏れている。

当時の担当レコーディング・エンジニアの違いによる結果なのかも知れない。

またダムは主だったレパートリーを複数回録音しているが、ここではその中のひとつに限定して収録されていて、シューマンの4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュックは1961年のコンヴィチュニー&ゲヴァントハウス盤が選ばれている。

ちなみにこの6枚はオリジナル・レコーディングからの新規リマスタード盤で、音質が極めて良好な全曲ステレオ録音になる。

このセットの中でもCD1のR.シュトラウスの2曲とCD6の20世紀の2人の作曲家によるホルン協奏曲は圧巻だ。

前者は作曲家の得意とした歌心に溢れたメロディーを充分に生かしたダムのソロが冴え渡り、レーグナー率いるシュターツカペレ・ドレスデンの堂々たるサポートも聴きどころだ。

後者では鮮やかな超絶技巧を披露するヴィルトゥオジティと共に斬新なオーケストレーションを作曲家クルツ自身の指揮とシュターツカペレ・ドレスデン及びケーゲル&ドレスデン・フィルの高度に洗練された再現で聴くことができる。

ちなみにR.シュトラウスの方はEMIのケンペ盤もホルン愛好家にとっては有力な選択肢になるだろう。

CD2の室内楽作品集も魅力的な1枚で、ベートーヴェンのホルン・ソナタは名手による録音自体が少ない中で、最も優れた演奏に挙げられる。

CD3のコラールを中心としたホルンとオルガンのための音楽では、ダムのホルンは殆んどコルネットのような高音と軽快さを聴かせている。

これはライナー・ノーツ見開きの写真に掲載されているようにディスカント・ホルンを使っているためで、通常のホルンよりかなり小型であることが見て取れる。

名器ジルバーマンを弾くショルツェの華やかなオルガンのサウンドも効果的だ。

一方CD4のフランス物ではペーター・レーゼルとの飛びっきり洒落たセンスと軽妙洒脱な音楽を堪能できる。

旧東独でのレコーディングは1947年以来私企業だったエテルナ社が担当していたが、1955年からはその後の音楽産業を一手に取り仕切る国営ドイツ・シャルプラッテン傘下のクラシック部門ベルリン・クラシックス、エーデル・クルトゥーアに引き継がれ活動を続ける創業70年になる老舗レーベルだ。

現在でも音響効果に優れたドレスデンのルーカス教会やライプツィヒ・ゲヴァントハウスを本拠に録音を行っていて、ユニヴァーサルなどとは一線を画した独自の存在感を示している。

このセットのレコーディングは1961年から1987年にかけて行われているが、演奏内容は勿論、音質的にも西側に決して引けを取らない水準に達していたことが理解できる。

ベルリン・クラシックスは今年になってオーケストラル・ワーク、室内楽、声楽曲などの過去の名演集をまとめた19セットほどのCD及びLPの記念盤をリリースしている。

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classicalmusic at 00:49コメント(0)ペーター・ダム  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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