2017年07月24日

ペーター・ダム&ブロムシュテットのモーツァルト:ホルン協奏曲集


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昨年末に旧東独のドイツ・シャルプラッテン音源が50枚の高音質UHQCDシリーズとしてリイシューされた。

その1枚がブロムシュテットがペーター・ダムをソロに迎え、気心の知れた自分の所属オーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデンのもとで録音したモーツァルトのホルン協奏曲集になる。

本盤ではペーター・ダム独特のややメロウな響きによるのびやかな歌の味わいが格別で、バックも素朴で自然だ。

新規にリマスタリングされてCDのマテリアルも一新されたようだが、確かに雑身が払拭された澄んだ音質が得られている。

オリジナル・マスター自体がかなり良い状態であることが想像されるが、オーケストラのそれぞれの楽器の分離状態も良く、一段と磨きがかかった潤いのある音色とバランスのとれた音場が再生されている。

ペーター・ダムは1988年に同曲集をフィリップスに再録音しているが、聴き比べると音質的に全く引けを取っていない。

ちなみに2度目の録音はモーツァルト没後200周年記念として刊行された全180枚のコンプリート・エディションに組み込まれた演奏で、現在でも協奏曲だけをエクストラクトしたデッカの9枚組セットで入手可能だ。

尚今年になって本家ベルリン・クラシックスからダムの6枚組の演奏集がリリースされたが、このモーツァルトの協奏曲集は除外されている。

このホルン協奏曲集の特徴はブロムシュテット率いるシュターツカペレ・ドレスデンの精緻なサポートにある。

再録音のネヴィル・マリナー&アカデミー室内との演奏では、室内楽としての嬉遊性に富んだ溌剌とした表現が聴かれダムのソロもより自由闊達だ。

しかしモーツァルトの音楽に内包されている恒久的な安らぎという哲学的観点では、ブロムシュテットの抑制を効かせたオーケストラにダムが敬意を表しているような、両者間での完璧な調和が感じられる。

モーツァルトのピリオド的な再現という点ではマリナーとのものがより近いかも知れないが、一方で美学的な説得力ではこちらが掛け替えのない価値を持っている。

当時ダムが首席ホルン奏者だったシュターツカペレ・ドレスデンだが、あくまでも音楽性において自らの名人芸を披露するという、極めて優れた協調性に彼のインテリジェンスが窺われるアルバムだ。

ダムはホルンと管弦楽のためのロンドも両指揮者と2回の録音を果たしている。

しかしこの作品の後半60小節の自筆譜が再発見されたのが1989年なので、どちらもそれ以前の短いバージョンの演奏になっている。

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classicalmusic at 00:06コメント(0)ペーター・ダム | ブロムシュテット 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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