2017年07月28日

セラフィン&ローマ歌劇場のロッシーニ:序曲集


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セラフィンは中庸という観念からは決して逸脱しない鷹揚なテンポ設定で、小細工をせずに本筋のカンタービレを充分に聴かせながら、次第にスペクタクルなクライマックスを創り上げる、まさにイタリア・オペラ指揮者の鏡のような指揮ぶりが堪能できるアルバムだ。

オーケストラを自在に歌わせ、一方で音楽の起承転結を絶妙にわきまえた老練な手法で聴衆を煽り立てて、弥が上にも場面を盛り上げるような効果的なクレッシェンドやアッチェレランドの術を心得ていた指揮者だった。

それらは単純明快な声の饗宴とも言えるイタリア・オペラでは演奏上の要でもあるが、彼の采配には単なる職人技ではない、殆んど奥義を究めたとも思える巧みなテクニックが感じられる。

セラフィンが多くのスター歌手達を起用して上演したローマ・オペラ座の黄金期は事実上1950年代から60年代にかけてで、それは幸福にもこの序曲集が録音された時期と重なっている。

ロッシーニの序曲では曲中に必ずと言っていいほど管楽器のソロがちりばめられている。

時としてかなりのテクニックを必要とするパッセージが容赦なく現われて、追い討ちをかけるような執拗なクレッシェンドが舞台の緞帳を上げる前に聴衆の気分を高揚させるひとつの聴かせどころであるだけでなく、演奏するオーケストラのメンバーやアンサンブルの技術的な実力が露呈されてしまうという、彼らにとっては決して予断を許さないレパートリーでもある。

ムーティによって頂点を迎えた数年前に比べれば、当時のローマ歌劇場管弦楽団のパートごとの個人的な技術レベルがそれほど高くなかったことは事実で、それはこの序曲集にも現われていることは否定できない。

しかし一見明るく明け透けな開放感の中に、セラフィンによって引き出された豊かな音楽性と軽快な輝かしさ、劇場感覚に密着した融通性などはそれを補って余りある演奏効果を上げている。

1964年にドイツ・グラモフォンからLPでリリースされた音源で、後にCD化されたものの既に久しく製造中止になっている名盤のひとつだ。

このCDは英カルーセル・レーベルからのリイシュー廉価盤なので多くは望めないが、LPに収録されていた『セヴィリアの理髪師』第2幕第2場の2分余りの間奏曲「嵐の音楽」が何故か抜けている。

ただし録音状態に関してはこの時代のものとしてはかなり優れているし、リマスタリングも充分満足のいく仕上がりだ。

1963年10月4日から7日にかけてグラモフォンのプロデューサー、ハンス・ヴェーバー及びレコーディング・エンジニアのギュンター・ヘアマンスが当時ローマ市内にあったRCAイタリアーナのレコーディング・スタジオAで収録したもので、音質が鮮明で分離状態も極めて良好なステレオ録音になる。

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classicalmusic at 00:49コメント(0)ロッシーニ | セラフィン 

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