2017年11月09日

エガーの取り組むバッハ、管弦楽組曲全集の2枚


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リチャード・エガーの演奏を初めて聴いたのは手兵アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージックを指揮したヘンデルの作品集で、その明瞭で平易な解釈とピリオド・アンサンブルの響きの美しさを満喫させてくれた。

彼はここ数年バッハの作品の集中的な録音活動に取り組んでいてチェンバロ用ソロ作品と並んで、いよいよ2曲の受難曲などの大曲の企画も次々と実現化している。

その中のひとつが4曲の管弦楽組曲で、レギュラー・メンバーの弦楽部は第1ヴァイオリンのパヴロ・べズノシュークをリーダーに第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ及びコントラバスが各1名の少数精鋭編成で、彼らにソロの管楽器やティンパニが加わり、指揮とチェンバロはエガー自身が担当している。

また組曲第2番ロ短調ではベテラン女流トラヴェルソ奏者のレイチェル・ブラウンが参加している。

彼女にとってこの曲は2度目の録音で、ちなみに1992年のロイ・グッドマン、ブランデンブルグ・コンソートとの協演が1回目のセッションになる。

この管弦楽組曲の演奏の特徴はフランス宮廷で採用されていたa'=392Hzの低いピッチに設定して、落ち着きのある雅やかなサウンドを創造していることで、トランペットやティンパニが加わる第3、第4組曲では華やかさでやや引けを取るにしても神経質にならない堂々たる音楽を聴かせている。

当時ドイツの多くの宮廷ではフランス風の低いピッチが使われていたようで、それはバッハの次男カール・フィリップ・エマヌエルが奉公していたフリードリッヒ大王のトラヴェルソの師クヴァンツの製作していた楽器のピッチからも証明されている。

これらの作品はいずれも冒頭に規模の大きいフランス風序曲が置かれ、多彩な舞曲が続くことからもエガーの解釈は妥当だろう。

また彼はリピートを省略せずに楽譜通りに繰り返していて、クイケン、ラ・プティット・バンドの2度目の録音とは対照的だ。

言ってみればエガーの演奏はよりバロック的な荘重なサウンドの再現と言えるだろう。

第2番ロ短調では名高いトラヴェルソ・ソロのポロネーズが聴きどころで、低いピッチでは沈みがちな横笛の音色を、速めのテンポを設定することによってエガーはブラウンの名人芸を際立たせている。

また後にヴィルヘルミによって『G線上のアリア』に編曲された第3番ニ長調の『アリア』は、ピリオド・アンサンブルで鑑賞できる最もオリジナリティーに富んだサンプルだろう。

基本的に各パート1人の小編成だが終曲ジーグは迫力充分だ。

エガーが自ら立ち上げたレーベルAAM(Academy of Ancient Music)のジャケットの装丁は黒を基調としてピリオド楽器の写真をあしらったシックなデザインのパックに統一されていて、ライナー・ノーツにはメンバーそれぞれの使用楽器も明記されている。

レギュラー・フォーマットながら臨場感に溢れた鮮烈な音色が特徴だ。

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classicalmusic at 15:42コメント(0)バッハ  

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