2017年11月21日

アンタイの色彩感溢れる鮮やかなスカルラッティ・ソナタ第5集


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フランスを代表する古楽器奏者アンタイ3兄弟の1人、チェンバリストのピエール・アンタイはミラール・レーベルに移ってから頻繁にドメニコ・スカルラッティの鍵盤楽器用ソナタ集のリリースを続けていて、今回で既に5枚目のCDになる。

近年のピリオド楽器によるこのソナタ集全曲録音といえばオランダのピーター=ヤン・ベルダーの全集が記憶に新しいが、アンタイはベルダーとはかなり異なったコンセプトで演奏している。

ベルダーには整然とオーガナイズされた統一感があって、本来の目的でもあったポルトガルの王女マリア・バルバラのための練習曲としてのペダゴジカルな性格も明らかにしていて、使用楽器に関してはチェンバロの他にフォルテピアノやオルガンを使い分けて音色に変化を与えている。

一方アンタイは曲趣に応じて楽器のモデルを替えているが、常にヒストリカル・チェンバロとそのコピーに限定している。

しかもチェンバロの華麗な音色を前面に出して、ラディカルとも言える大胆なテンポ設定と目の醒めるような色彩感溢れる鮮やかな奏法には彼のラテン気質が感じられる。

スカルラッティのソナタは555曲ほど存在し、これまでのCDでアンタイは82曲のソナタ及びフーガ1曲を録音したことになるが、今のところ全曲録音の意志は表明していない。

彼は作品番号や作曲年代に拘泥することなく個性的な性格のソナタをピックアップして1曲1曲を独立した芸術作品として完結させるように弾いているが、性格の異なった曲を対比させて1枚のCDとしても起伏に富んだ作品集に仕上げている。

例を挙げればライナー・ノーツでもアンタイ自身が書いているように、K547ト長調はスカルラッティがパリに到着した時にラモーに敬意を表して彼の『レ・シクロペ』のテーマを取り入れたオマージュで、斬新な手法で作曲されている。

第4集の翌年2016年に同じくオランダのハーレムで収録されたもので、前回と同様製作者不詳の18世紀ドイツのチェンバロを、フィンランドの古楽器製作者ヨンテ・クニフが再構築した楽器を使用している。

ピッチはa'=415Hzのスタンダード・バロック・ピッチ。

デジパックに綴じ込みのライナー・ノーツが付いていて、オリヴィエ・フォーレとアンタイ自身の解説が興味深い。

音質が素晴らしいのもこのシリーズの特徴で、はじけるようなチェンバロの撥弦音の響きや立体的な音像が手に取るように伝わってくる。

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classicalmusic at 18:45コメント(0)スカルラッティ  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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