2017年12月03日

ジャルスキー充実のニュー・アルバム、ヘンデル・オペラティック・アリア集


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カウンター・テナーとして現在最も充実した時期を迎えているフィリップ・ジャルスキーは、バロック・オペラ全曲盤でも多くの主役を歌ってその美声に託された音楽性の豊かさと、確実なアジリタのテクニックを披露している。

今回のエラートからのヘンデル・アルバムでも期待通りのカンタービレに溢れた歌唱を堪能できる。

ピリオド演奏隆盛の近年ではカウンター・テナーも様々なタイプの歌手が活躍していて鑑賞のための選択肢も多いが、無理のない柔らかな美声を駆使して表現するジャルスキーの抒情の世界は他の追随を許さないものがある。

また彼自身がオーガナイズするピリオド・アンサンブル・アルタセルセのサポートも一際冴え渡っている。

彼らは2002年にパリのパレ・ロワイヤルでデビューを飾ったが、メンバーはそれ以前からヨーロッパを中心に演奏活動をしていた古楽奏者だけに、歌に寄り添ってある時は流麗に、またある時はドラマティックな背景を作り出す心強い共演者だ。

ヘンデルはイタリア滞在時代に会得したリリカルなメロディー・ラインとアクロバティックな超絶技巧によるナポリ派オペラの作法を踏襲して、カストラート歌手達の黄金期最後を飾るオペラで名声を得た。

その後ヘンデルは文学的要素の希薄なイタリア・オペラへの筆を追ってしまうのだが、その意味でカウンター・テナーにとってヘンデルの劇場作品は避けて通れない試金石だろう。

ナポリ出身でヘンデルのオペラも初演したファリネッリに象徴される芸術至上主義の徒花とも言われたカストラートは、磨き抜かれた美声とおよそ人間技とは思えないほどの高度なテクニックで聴衆を魅了し驚嘆させた。

そうした彼らの演奏を髣髴とさせるのがジャルスキーの歌唱で、勿論彼の演奏には歌唱を支える確実な音楽性があり、とりわけリリックなシーンでの表現力の巧さは特筆される。

ちなみに彼はファリネッリに捧げた1枚もリリースしている。

録音は今年2017年2月21日から3月2日にかけてパリのノートル=ダム・デュ・リバン教会で行われ、豊かな残響を感知させながらクリアーで分離状態、バランスともに優れた瑞々しい音質が特徴だ。

38ページほどのライナー・ノーツには曲目及び録音データの他に今回このアルバムの収録に参加したアルタセルセの20名のメンバーが明記されている。

また収録曲総てのアリアはイタリア語歌詞に英、仏、独語の対訳付。

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classicalmusic at 15:13コメント(0)ヘンデル  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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