2017年12月09日
スクリベンダムからの『コンヴィチュニーの芸術』ステレオ13枚+モノラル7枚の統合版
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コンヴィチュニーの演奏集でボックス化されたものには、ベルリン・クラシックス系エーデル・レーベルからの『フランツ・コンヴィチュニーの芸術』全2巻計22枚がある。
第1集は既にプレミアム価格で販売されているので、新規に購入されたい方には今回のスクリベンダム盤をお薦めしたい。
過去にリリースされたステレオ盤13枚とモノラル盤7枚を纏めたコレクター向けのリイシューになり、例によってライナー・ノーツを割愛した完全節約版になる。
彼の代表的なベートーヴェン、シューマンの交響曲全曲ステレオ録音やブルックナーの3曲の交響曲などオペラを除いたオーケストラル・ワークが網羅されたリマスター盤なので、コストパフォーマンス的にもかなりリーズナブルなセットと言えるだろう。
少なくとも1959年からは旧東独ドイツ・シャルプラッテンでもステレオ録音が開始されたようで、このセットでも59年のショスタコーヴィチだけはモノラルだが同年のベートーヴェンは幸い総てステレオ録音だ。
ちなみにここに組み込まれなかったブルックナーの第7番は、前述のエーデルからの第2巻に擬似ステレオ盤で加わっている。
このセットにはグローバル化の進んだ現在では聴けなくなってしまった旧東ドイツの質実剛健なサウンドの記録が残されている。
コンヴィチュニー円熟期の演奏活動の本拠地はまさに東側のオーケストラ(ゲヴァントハウスやシュターツカペレ・ドレスデン)で、ベルリン・フィルやウィーン・フィルのような洗練されたスター・プレイヤーの音色やテクニックを駆使したパフォーマンスとは一線を画した、簡素だがそれだけにダイレクトでしかも柔軟な力強さが随所に漲っている。
アンサンブルもコンヴィチュニーによって非常に良く統制され、骨太で堅牢な音楽が作り上げられている。
特に作品の構造やオーケストレーションの醍醐味が問われるドイツ物は彼らの最も得意とするレパートリーであった。
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