2017年12月11日
ケンペ後期の理想的オーケストラル・ワーク集
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個々数年でルドルフ・ケンペのバジェット・ボックスが様々なレーベルからリリースされていて、熱心なコレクターだけでなく入門者のための選択肢は多いのだが、曲目のだぶりを考慮してコレクションする時に欠かせないのがこのセットだろう。
CDの枚数で一番多いのはヴェニアスからの20枚組だが、内容を見るとEMI系音源に集中していてテスタメント盤とも多くの曲にだぶりがある。
そのテスタメントからの12枚はリマスタリング盤で音質も良く、彼の幅広いレパートリーが収録されたコレクターにとっては欠かせない価値の高いセットだが、版権の異なるブラームスやブルックナーを含んでいない。
同系統EMIのイコン・シリーズ10枚はオペラからの抜粋を中途半端に加えたために、コレクションとしてはどっちつかずの散漫な印象があって、あくまでも二次的な選択肢でしかないだろう。
ケンペのオペラや声楽曲への手腕は疑いないので個別に全曲盤を聴くことをお薦めしたい。
こうした中でスクリベンダムの10枚は大規模なオーケストラル・ワークに絞って、他のレーベルでは聴くことのできないレパートリーでケンペの管弦楽の絶妙なミキシングや、高踏的だが常に人間味に溢れる暖かさを感じさせる演奏を堪能できるセットなのだが、ミュンヘン・フィルとのブラームスの『ハイドンの主題による変奏曲』が選曲から外されている。
解決策はドキュメンツ(メンブラン)からの10枚組の購入で、カップリングのクレンペラーのベートーヴェン・ライヴは音質が悪くそれほど魅力的ではないが、ケンペのブラームスは音質も良くコストパフォーマンスも高いので最も妥当な選択と思える。
同じスクリベンダムの3枚組もあったが既に廃盤の憂き目に遭っていてプレミアム価格を覚悟しなければならない。
しかしケンペは他のオーケストラともこの曲を録音しているので、例えばバンベルク響とのUHQCD盤やベルリン・フィルとのテスタメント盤のそれぞれが現行で有力な選択肢になる。
後者にはモノラルながら悲劇的序曲も加わっている。
音質については幸い総てが良好なステレオ録音で、リマスタリングの効果もあってワイドな音響空間と分離状態の良いオーケストラのサウンドが再生される。
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