2017年12月15日

イタリア弦楽四重奏団面目躍如のハイドン


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イタリア弦楽四重奏団のしなやかで明るい音色と流麗な表現が面目躍如たる名演奏。

ハイドンが弦楽四重奏曲で試みた嬉遊性と芸術性の統合が、彼らの演奏によって理想的に実現されている。

取り組む曲に対する真摯かつ柔軟なアプローチと鍛え上げられたアンサンブル、そして開放感と歌心に溢れた表現が彼らの身上だろう。

まさに豊麗かつ甘美に歌い上げられたハイドンで、いかにもイタリア人好みの演奏になっている。

特に『五度』と『皇帝』の第2楽章はその最たるもので、音楽とは歌うことであると言わんばかりに、一心不乱に演奏している4人の姿が彷彿とさせられるほどだ。

端的に言えば作曲家がこれらの作品に織り込んだ高度な音楽性やテクニックを親しみ易く、しかも飛びっきり美しく聴かせることで、例えば『五度』のような短調で書かれた曲でも、彼らの表現の明るさは際立っているし、常に自然体で屈託のないカンタービレが独特の軽やかさで聴き手に幸福感をもたらしてくれる。

明快で現代性を帯び、しかもイタリアの団体らしく歌の精神に満ちていて、良い出来栄えだ。

また『ひばり』では澄み切った青空をイメージさせる清々しい清涼感が印象的だ。

そうしたことは第1楽章によく表れているが、ここでは遅めのテンポをとりのびのびと歌わせているのである。

しかしそれと同時にがっちりした構成感もあって、歌い崩しているのではなく、あくまでも古典派の様式に則った抑制を効かせた巧みなアンサンブルで曲の纏め方も文句なく上手い。

彼らは1945年結成以来1980年の解散までにモーツァルト、ベートーヴェンそしてブラームスの弦楽四重奏曲全曲録音を中心に数多くの名演奏を遺したが、ハイドンに関してはそれほど録音が多くないのでこの1枚は貴重なコレクションにもなる。

どの曲もお手のものといった感じで、流麗な仕上がりのものになっている。

この曲集では第2楽章でことのほか美しいヴァリエーションが繰り広げられる『皇帝』と更にホフシュテッター作曲の『セレナード』を含めた4曲が収録されているが、『皇帝』のみが1976年でその他の3曲が1965年の録音になる。

ハイドン演奏としての好き嫌いは別として、演奏というものの典型がここに示されているのは、何人も認めざるを得ないだろう。

かつてのフィリップス音源の音質は極めて良好で、弦楽の瑞々しさや切れの良さが明瞭に捉えられている。

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classicalmusic at 01:03コメント(0)ハイドン | イタリアSQ 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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