2018年01月01日

交響曲のルーツを辿る興味深いアルバム


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リチャード・エガーとアカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージックは彼ら専用の新レーベルAAMを設立して益々盛んなレコーディングを行っている。

その第一弾としてリリースされたのが交響曲の誕生と題された意欲的なアルバムで、ホグウッド以来の英国のピリオド・アンサンブルらしい軽快ですっきりしたサウンドと明快な解釈に好感が持てる演奏集だ。

内容は交響曲黎明期の作品5曲をクロノロジカルに配列して、そのルーツと発展を1枚のCDで鑑賞できる趣向になっている。

新しいレーベルに相応しい鮮明な音質で臨場感にも不足していない。

簡易なデジパック入りだが、録音中のスナップ写真も掲載した丁寧なライナー・ノーツが挿入されている。

尚演奏ピッチはa'=430Hz。

私達が一般的に交響曲として認識している管弦楽のための作品は、ハイドンやモーツァルトによってその典型的な形式が形成され、充実したオーケストラル・ワークに洗練されていく。

当時イタリアでは単に管弦楽で演奏される部分をシンフォニアと呼んで、独立した曲種というより作品の一部に組み込まれるエレメントとして普及していて、実際バッハの作品にも既に例がみられる。

しかしながらライナー・ノーツによればその源泉は決して単純なものではなく、宮廷でのBGMであったりカトリックのミサの開始を告げる役割を果たしたり、またイタリア・オペラの序曲からの影響も大きいようだ。

最初に収録されたヘンデルのようにオラトリオからまとめられたものなど多彩な要素を持っていたようだ。

ヘンデルの作品の第3楽章はさながらオーボエ協奏曲のように聞こえる。

彼は自分の作曲したオラトリオから4曲をピックアップして教会ソナタの体裁に整えてシンフォニアと名付けている。

交響曲の形成に多大な貢献をしたマンハイム楽派からはリヒターとアントン・シュターミッツの作品がそれぞれ1曲ずつ収録されている。

この時代にはオーケストラの幅広いダイナミズムによる表現力や合奏のテクニックが彼らによって飛躍的に向上したことが理解できる。

モーツァルトが8歳のときにロンドンで作曲した交響曲第1番変ホ長調はイタリア式序曲の典型だろう。

この頃ヨハン・クリスティアン・バッハはロンドンで予約制定期演奏会を初めて試みたが、コンサートを宮廷から離れた一般市民の鑑賞の場に定着させて市民達の嗜好が反映されることになるのも当然の結果であった筈だ。

ハイドンではいわゆる2管編成が定着し、彼の交響曲には欠かすことのできない第3楽章のメヌエットは当時のウィーンの人々の趣味と切り離せないものになり、むしろメヌエットを欠いた交響曲は通用しなかったが、やがてベートーヴェンによってスケルツォに取って替えられることになる。

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classicalmusic at 13:07コメント(0)ヘンデル | ハイドン 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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