2018年01月30日

ベームのオペラ及び声楽曲大観、手中に収めた独墺系レパートリー


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カール・ベーム(1894-1981)のドイツ・グラモフォン音源の中からオペラ及び声楽曲を集大成した70枚のセットで、オペラ23曲中ヘンデルの『ジュリオ・チェーザレ』のみがハイライトでその他はセッションとライヴからの全曲盤になる。

しかもCD68のメトロポリタン歌劇場ガラ・コンサートでのただ1曲のヴェルディを除いて総てが独墺系作曲家の作品群で、その意味でも彼の真骨頂とも言える演奏が一同に会しているのが圧巻だ。

収録作品をパノラミックに概観すると声楽曲はベートーヴェン:『ミサ・ソレムニス』(1955年モノラル録音及び74年ステレオ録音の2種) ハイドン:オラトリオ『四季』(1967年ステレオ録音) マーラー:1)『亡き子を偲ぶ歌』 2)『リュッケルト歌曲集』バリトン/ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(以上1963年ステレオ録音) ブラームス:『アルト・ラプソディー』コントラルト/クリスタ・ルートヴィヒ(1976年ステレオ録音) モーツァルト:『レクイエム』(1971年ステレオ録音)

一方オペラはベートーヴェン:『フィデリオ』(1969年ステレオ録音) ベルク:1)『ヴォツェック』(1965年ステレオ録音) 2)『ルル』(1968年ステレオ録音) ヘンデル:『ジュリオ・チェーザレ』ハイライト(1960年ステレオ録音) モーツァルト:1)『イドメネオ』(1977年ステレオ録音) 2)『後宮からの逃走』(1973年ステレオ録音) 3)『フィガロの結婚』(1968年ステレオ録音) 4)『ドン・ジョヴァンニ』(1967年及び77年ステレオ録音の2種) 5)『コシ・ファン・トゥッテ』(1974年ステレオ録音) 6)『魔笛』(1964年ステレオ録音) 7)『劇場支配人』(1973年ステレオ録音) 8)『皇帝ティトの慈悲』(1979年ステレオ録音) R.シュトラウス:1)『サロメ』(1970年ハンブルク・ステレオ・ライヴ) 2)『エレクトラ』(1960年ステレオ録音) 3)『ばらの騎士』(1958年ステレオ録音及び1969ザルツブルク・ステレオ・ライヴの2種) 4)『ナクソスのアリアドネ』(1944年ウィーン・モノラル・ライヴ、1954ザルツブルク・モノラル・ライヴ及び1969年ステレオ録音の3種) 5)『影のない女』(1977年ウィーン・ステレオ・ライヴ) 6)『アラベラ』(1947年ザルツブルク・モノラル・ライヴ) 7)『無口な女』(1959年ザルツブルク・モノラル・ライヴ) 8)『ダフネ』(1964年ウィーン・ステレオ・ライヴ) 9)『カプリッチョ』(1971年ステレオ録音) ワーグナー:1)『さまよえるオランダ人』(1971年バイロイト・ステレオ・ライヴ) 2)『トリスタンとイゾルデ』(1966年バイロイト・ステレオ・ライヴ)

こうしたラインナップを見るとベームの凄さを改めて実感できる。

ワーグナーは、バイロイトで『指環』をふくめ破格の名演を多く紡ぎだしたが、本集ではそれはごく一部にとどめている。

また、モーツァルトとベートーヴェンでも抜群の成果ながら、ここはテイストの違いもあって競合盤も多い。

しかし、R.シュトラウス、ベルクでは作曲家からの信認をえていたベームの「君臨」はまさに独壇場で、そこを集中的に収録しているのが本集の最大の特色だろう。

尚CD68の後半からCD70までは1960年から73年に行われたベームへのインタビュー集で、モーツァルト、R.シュトラウス、ウィーン・フィルについての所感や自身のキャリアへの回想録になる。

縦20.4X横20.5X高さ14.5cmの大型カートン・ボックスで、内側に更に4つのラックに分けてそれぞれのディスクがオリジナル・デザイン・ジャケットに収納されている。

ブックレットは19X19cmで143ページの単行本仕様。

殆んどがトラック・リストに費やされていて歌詞対訳もないが、リチャード・オズボーンの書き下ろしエッセイの日本語訳を掲載。

幾つかのスナップの中ではリハーサル風景の数葉とリヒャルト・シュトラウスと共にデッキチェアを並べて寛ぐ写真が印象的。

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classicalmusic at 19:16コメント(0)ベーム | ベルク 

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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