2018年03月08日

ライヴに賭けたリヒテルの至芸


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リヒテルのザ・マスター・シリーズの7巻目で、フィリップスとデッカのそれぞれの音源から集められたブラームスとシューマンの作品集になる。

例によってこのシリーズのライナー・ノーツには録音データらしきものはなく、謎に包まれたライヴ集なので参考までに個人的に調べた録音年月日と場所を記しておく。

その長いキャリアをセッションという形ではなく、むしろライヴに賭けた巨匠の至芸を堪能できるシリーズのひとつとしてお勧めしたい。

音質は押し並べて良く、演奏終了後の拍手は入っているがライヴに付き物の聴衆の雑音が非常に少ないのも好感が持てる。

ブラームスの2曲のソナタはいずれも1986年5月27日にイタリア、マントヴァで開かれたリサイタルで、この2枚のCDでは唯一デッカが持っているマスターだ。

重厚な押し出しとペダルの使用を控えた彫琢するような明瞭な造形美には円熟期のリヒテルならではの味わいがある。

『パガニーニのテーマによるヴァリエーション』は第1部、第2部共に1988年6月19日にフランスのメスレーで収録されたものらしい。

超絶技巧で名高い曲でライヴ録音も珍しいが、彼は全く躊躇のない恐ろしいほどの集中力で弾き切っている。

一方『バラードト短調』、『カプリッチョハ長調』、『間奏曲ホ短調』及び『ラプソディー変ホ長調』の総ては1966年9月8日にスイス、ロカルノのサン・フランチェスコ教会でのライヴで、この曲集では最も古い音源だが、いくらか武骨な力強さがブラームスの素朴な音楽性を良く示しているように思う。

最後のシューマンの『幻想曲ハ長調』は、1979年12月17日にドイツ、レヴァークーゼンで行われたコンサートから採られたものだ。

シューマン特有の内省的な思索がリヒテルの得意とする奏法でもあることが理解できる、あらゆる意味でバランスに長けた演奏だ。

尚このセットでは以前フィリップスのザ・オーソライズド・レコーディングスに組み込まれていたシューマンの『マーチト短調』、『ノヴェレッテヘ長調』、『4つの夜曲』、『花の曲』そして『パガニーニのカプリースによる演奏会用練習曲』が何故か選択から漏れている。

既に両シリーズ共に製造中止の憂き目に遭っているので残念だ。

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classicalmusic at 00:05コメント(0)リヒテル | ブラームス 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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