2018年03月10日

アンチェル、チェコ・フィルとの語るヤナーチェク


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近年では村上春樹氏の長編小説『1Q84』で印象的に語られたことによって、非常に有名になったヤナーチェク作曲『シンフォニエッタ』古典的名盤の待望の復刻である。

ヤナーチェクの音楽には斬新な力強さや神秘性と共に強烈なローカル色があって、楽理的な追究に偏って洗練され過ぎた演奏や、逆に『シンフォニエッタ』のブラス・アンサンブルをビッグバンドさながらに咆哮させるやり方はかえって興醒めになってしまう。

ここでもアンチェルの作品に対する洞察力の鋭さがチェコ・フィルハーモニー管弦楽団と共に作品の野太さと破天荒な音楽性を、野卑に陥ることなく鮮烈に実現している。

このディスクに収録された『シンフォニエッタ』と『タラス・ブーリバ』での大地から湧き上がるようなサウンドと、土の薫りを立ち昇らせるような音楽で語る手法は彼らならではの特権でもある。

特に後者では伝説の英雄譚をシュールレアリズム的映像絵巻で展開する心理的再現が印象的だ。

ヤナーチェクはモラヴィアの言語から発話旋律を考案して、オペラや声楽曲だけでなく管弦楽作品にも取り入れて、リズムと旋律が力強く一体化した音楽を書いた。

この2曲にもその作法が積極的に応用されているが、それを無視して演奏することは不可能だし、一番身近なチェコ人である彼らによって再現されるのであれば、これほど望ましいことはないだろう。

アンチェルはオーケストラのトレーナーとしても非凡な腕を持っていたようで、チェコ・フィルの持っている無類の機動力も彼によって培われたものだろう。

またメンバーの個人的な水準も非常に高く、彼ら特有のしなやかな弦や管楽器の一種朴訥な音色、そして両曲中いたるところに現れる巧みなソロや精緻なアンサンブルからも当時の彼らが第二の黄金期を迎えていたということに頷ける。

アンチェルがこの時期にチェコ・フィルと精力的な録音活動を行って膨大な音源を遺してくれたことにも感謝したい。

亡命後の彼の音楽活動は病気の悪化のためにこの頃と比較すると精彩を欠いたものになってしまうが、それまでに残された録音はどれをとっても鑑賞者の期待を裏切ることがないのも事実だ。

プラハのルドルフィヌムにおける1961年のセッションで、リマスタリングされた音質は極めて良好。

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classicalmusic at 00:09コメント(0)ヤナーチェク | アンチェル 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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