2018年03月28日

この演奏に回帰すべき『新世界』、アンチェル、チェコ・フィルのリマスター盤


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このディスクに収録された3曲は、いずれも1961年にプラハ・ルドルフィヌムで録音されたアナログ音源をリマスタリングしたブルー・スペック盤で音質にも非常に恵まれているが、それにも増してアンチェル、チェコ・フィルの情熱的かつ理知的な演奏に強く惹かれる。

それはボヘミア生まれのアンチェルが首席指揮者時代の手兵チェコ・フィルを振ったお国物という有利な条件を遥かに超越した高い音楽性の上に成り立っているからかも知れない。

つまり彼らは濃厚な民族意識をベースに持ちながらも、アンチェルの高踏的な解釈が偏狭な民族主義の鼓舞に終わることなく、この作品の普遍性を導き出したとも言うべき演奏だ。

それだけに恣意的に強調されたり、大見得を切るような部分は皆無だが、強い説得力を持って迫ってくる。

しかも彼らは冒頭のティンパニに聴かれるようにオーケストラとして独自のカラーを持っていて、素朴だがその力強さと機敏でしなやかな機動力が大きな魅力になっている。

第2楽章のコーラングレ・ソロも巧みだが、シンプルな背景にアンチェルは効果的な抒情性を醸し出して、この交響曲に絶妙なアクセントを与えているし、全体を引き締める緊張感の持続は聴き手を引き付けて離すことがない。

『新世界』はクラシックのスタンダード・ナンバーで、一流どころのオーケストラは殆んど例外なく、しかもさまざまな指揮者と繰り返し録音しているが、この演奏は将来にも聴き継がれるべき数少ないサンプルのひとつとしてお薦めしたい。

スプラフォンは冷戦時代の東側の国々の中でも録音技術に関しては西側に引けを取らないだけの優れた音源を残していて、ステレオ録音も旧東ドイツと並んで逸早く実現化している。

これはまだ大衆的なステレオ再生機器自体が普及していなかった当時の東側では例外的で、むしろ同時代のソヴィエトの録音システムよりも優っている。

来たるべきオーディオ時代を先取りした先見の明とその技術開発には驚かされる。

その後世界初のPCMディジタル録音は東京で行われたが、演奏はスメタナ四重奏団だったことも象徴的だ。

尚このディスクには『新世界』の他に2曲の序曲『自然の王国で』Op.91及び『謝肉祭』Op.92がカップリングされている。

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classicalmusic at 00:42コメント(0)ドヴォルザーク | アンチェル 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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