2018年04月03日

虚飾を排した精妙なサウンド、UHQCD化されたブロムシュテットのブルックナー


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ブロムシュテット、ゲヴァントハウスによるブルックナー交響曲全集のプロジェクトは2012年に完成され、日本では9曲の交響曲が9枚のSACDセットに纏められたが、何故か既に製造中止の憂き目に遭っていてばら売りでも入手困難な状態だ。

一方こちらは彼のもうひとつの手兵、シュターツカペレ・ドレスデンとの1980年代の共演で、このコンビではこれまで第4番及び第7番のみが録音されている。

幸いこの2曲は現行のレギュラー・フォーマット盤でも手に入るが、昨年両曲ともUHQCDとしてリニューアルされた。

第7番ホ長調はおそらく全曲集へ発展させるつもりで開始した第一弾で、1980年にドレスデンのルカ教会で収録されている。

広い空間に進展する音響が良く捉えられていてブルックナーの巨大なスケール感にも不足していない。

当時まだ爆撃で破壊された都市の復元が続いていたドレスデンでは録音会場として相応しい唯一の場所だったようだ。

東側でもPCMディジタル録音が普及しつつあった頃の音源としては極めて良好で、彼ら特有の虚飾のない精妙なサウンドが一層鮮明に再生される。

ブロムシュテットのドイツ王道をゆく誠実な指揮により、第7番の雄大で美しい響きが理想的に再現されていて、熟成の極みともいえるドレスデン・サウンドとの組み合わせがその魅力を最大に高めている。

ここではブロムシュテットがブルックナーの作曲時に描こうとした音楽的構想にできるだけ忠実な演奏を試みたことは間違いないだろう。

作曲家自身の決定的なスコアというものが存在しない限り、最もシンプルに校訂された版を参考にすることは解釈の上での重要な解決策の筈だが、彼がハース版を採用していることからもそうした傾向が明らかだ。

ただし彼らの演奏から醸し出される音楽は決して地味一辺倒なものではなく、光彩を放つような豊穣な音色の変化と生命力に溢れた推進力があってまったく脆弱さを感じさせない。

シュターツカペレ・ドレスデンとのブルックナー全集が頓挫した理由は分からないが、ブロムシュテットの現在の年齢を考えれば彼らが再び採り上げることに殆んど期待は持てない。

しかしブルックナー・ファンにとっては第4番と共に是非コレクションに加えておきたい名演のひとつであることは確かだ。

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classicalmusic at 00:34コメント(0)ブルックナー | ブロムシュテット 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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