2018年04月17日

マナシー、ナカマツの羽目を外した愉快なデュオ


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ジョン・マナシーとジョン・ナカマツのコンビは既にブラームスのクラリネット・ソナタ集及び五重奏曲をリリースしているので、クラリネット・ファンにはお馴染みだろうが、このCDは際物扱いされているためか意外に話題に上らない。

しかし演奏の質から言っても、彼らが得意とするアメリカ音楽への勧誘という意味でも優れた1枚だ。

マナシーのクラリネットについては、その肌理の細かい繊細な美しさと無類のテクニックが、曲によっては逆にいくらか神経質に聴こえてしまうことが無きにしも非ずだった。

このアルバムでは本人自身も演奏を心から楽しんでいる、羽目を外した普段着の彼が見えるような気がするし、またピアノのジョン・ナカマツの乗りの良さも特筆に値する。

特にノヴァチェクのラグではホンキートンク・ピアノを髣髴とさせる底抜けに明るいリズミカルな伴奏が愉快だ。

両者とも非の打ちどころのないアンサンブルを披露していて、クラシック・ファンだけでなく、広い層の人にお薦めしたいデュオ集だ。

最初の4曲はジョン・ノヴァチェクの『2人のジョンのための4つのラグ』と題された文字通りシンコペーションを多用したラグタイムの魅力を充分に取り入れた小品集だが、既に作曲されていたものを今回特に彼らのためにアレンジした事からこの曲名がついたようだ。

続くパキート・デ・リベラの『ザ・ケープコッド・ファイルス』は自身クラリネット奏者でもあるためにこの楽器の特性が見事に活かされている。

特に第3曲は無伴奏ソロで、マナシーの鮮やかなテクニックが冴えている。

バーンスタインの『ソナタ』は他の曲に比べると娯楽的とは言えないが、作曲家の音楽的な思索が高度に練り上げられた印象的な作品だ。

締めくくりは4曲のガーシュウィンで、この種の曲で一世を風靡した元祖のオリジナリティーが、このアルバムのしんがりとして相応しい。

日系アメリカ人のピアニスト、ジョン・ナカマツは第10回ヴァン・クライバーン・コンクールの覇者で、故郷カリフォルニアではドイツ語の教師を勤めていたという変り種の音楽家だが、室内楽にも熱心に取り組む姿勢をみせていて、今後の彼の演奏活動が期待される。

音質は極めて良好だが、目の前に奏者が立つような生々しい臨場感ではなく、一歩引いた空気感を捉えているハルモニア・ムンディの特徴的な録音だ。

18ページで写真入りの英、独、仏語によるライナー・ノーツが挿入されたデジパック入り。

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classicalmusic at 00:22コメント(0)バーンスタイン | ガーシュウィン 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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