2018年05月03日

精緻に洗練され、かつ力強いドヴォルザークとシューベルト


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ブロムシュテット首席時代のシュターツカペレ・ドレスデンによるドヴォルザークの交響曲第8番及びシューベルトの『未完成』のUHQCD盤になり、従来のCDよりも彼ら本来の力量が感知できる鮮明な音質が印象に残る。

前者が1974年、後者が78年のどちらもドイツ・シャルプラッテン音源で、優れた録音技術に裏付けられたドレスデン・ルカ教会の広い音響空間を活かした余裕のある音場が感じられる。

ドレスデン郊外にあるこの教会には何回か訪れたことがあるが、幹線道路から少しばかり離れた閑静な場所に建っていて、録音のための立地条件にも恵まれている。

ゼンパーオーパーが爆撃によって大破していた頃の苦肉の策だったのだろうが、結果的にはその後の彼らの録音活動の殿堂になっている。

前方の事務所を除いた本堂入り口からアプシスまでの殆んど総ての空間が演奏会場として開放されていて、残響はかなり潤沢だがサウンドが混濁しないようにある程度の吸音材が取り付けられていて大編成のオーケストラ作品には理想的だ。

ここに収録された2曲の交響曲でオーケストラはブロムシュテットによって精緻に統率されているが神経質な感じは全くなく、また全曲を貫く骨太な力強さでもシュターツカペレ・ドレスデンの本領が遺憾なく発揮されている。

彼らの演奏からは美音を武器にした聞こえよがしのアピールや洒落っ気などはないが、テクニックの洗練という意味では徹底していてアンサンブルも周到に鍛えられている。

ドヴォルザークではスラヴ的な熱狂は望めないにしても、それに取って代わるだけの純粋に音響力学的な説得力と情熱的な歌心に溢れているところは流石だ。

シューベルトの『未完成』でも第1楽章第2主題のきめ細かいディナーミクで歌わせるカンタービレ、後半の劇的な展開でも音楽の流れを妨げることのないブロムシュテットの統率力が聴きどころだ。

第2楽章も決してこじんまりとしたおとなしい演奏ではなく、交響曲としてのスケールの大きさをイメージさせる堂々たる表現力によって、作曲されなかった後続するふたつの楽章がどういう構想であったかを想像させてくれる。

おそらくそれは『ザ・グレイト』と双璧に成り得た大作であった筈だ。

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classicalmusic at 00:57コメント(0)ドヴォルザーク  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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