2018年06月18日

多彩を極めたオーケストラル・ワーク集


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ワーナー20世紀クラシックス・シリーズではストラヴィンスキーの第2巻目に当たる。

2曲の『組曲』がサイモン・ラトル指揮、ノーザーン・シンフォニア・オーケストラで1978年のセッション、ラトル、バーミンガム市交響楽団の1986年の『3楽章の交響曲』、99年に巨匠ロストロポーヴィチがソロにマキシム・ヴェンゲーロフを迎えてロンドン交響楽団を指揮したヴァイオリン協奏曲、93年のフランツ・ヴェルザー=メスト指揮、ロンドン・フィルによる『管楽器の交響曲』、74年のネヴィル・マリナー、ロス・アンジェルス室内による『協奏的舞曲』、87年のラトル、ロンドン・シンフォニエッタによる『エボニー協奏曲』、71年のセッションでミシェル・ベロフのピアノ、小澤征爾指揮、パリ管弦楽団によるピアノと管弦楽のための『カプリッチョ』、そして81年のマリナー、アカデミー室内管弦楽団の演奏で『プルチネッラ』のバラエティーに富んだ9曲が収められている。

ストラヴィンスキーの作曲様式は時代と共に著しく変化しているが、第1巻のほうには比較的初期の原始主義の様式によるバレエ音楽を集め、この2枚では主として中期以降の新古典主義的な傾向を持った曲がまとめられているが内容は多彩を極めている。

作曲家唯一のヴァイオリン協奏曲はサミュエル・ドゥシュキンが自分用にオーダーしたもので、ここではヴェンゲーロフの巧みで幅広い表現力が聴き所だ。

トッカータでのテクニックの冴え、アリアでの芯の太いカンタービレや終楽章での軽妙さなどがロストロポーヴィチの明晰なオーケストレーションに支えられて充分に発揮されている。

彼らは現代物ではまたショスタコーヴィチやプロコフィエフでも協演している。

2枚目の『組曲』第2番は第1番と同様ピアノ連弾用からのアレンジで、特に管楽器が活躍するスケルツォ的な趣を持っていて、『ペトルーシュカ』に現れる滑稽な手廻しオルガンの模倣がここでも用いられている。

ラトルの指揮は緻密でノーザーン・シンフォニアを良くまとめているが、『エボニー協奏曲』では律儀に取り組みすぎていて、羽目を外した気さくさがないのが惜しまれる。

この作品はサクソフォニストでジャズ・バンドのリーダーでもあったウディ・ハーマンの委嘱によるジャズの要素を取り入れた風変わりな楽器編成と曲想が特徴的だ。

『カプリッチョ』ではベロフの粋なピアノ・ソロに小澤が小味を効かせた軽快なオーケストラを伴わせていて好感が持てる。

尚最後に置かれた『プルチネッラ』はストラヴィンスキーがディアギレフの委嘱によってバレエ・リュスのために、ペルゴレージを始めとするイタリアン・バロックの作曲家の作品を編曲して連ねたバレエ音楽だ。

バロック音楽に造詣の深いマリナー、アカデミー室内管弦楽団の演奏は整然として美しいが、ロバート・ティアーのテノール・ソロがいくらか重い声とくどい表現になっている嫌いがある。

ここにはイタリア風の甘美なカンタービレが求められるだろう。

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classicalmusic at 00:11コメント(0)ストラヴィンスキー | ラトル 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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