2018年06月20日

プロコフィエフ後期の作品集


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セルゲイ・プロコフィエフの交響曲第5番は祖国ソヴィエトのために書かれた作品で、それまでの急進的でややもすると刺々しい好戦的な趣が抑えられて、抒情的で雄大な曲想を持っている。

それだけに彼の円熟した作曲技法が駆使された、音楽的にも新境地を示していて、更にその後の彼の作風を方向付けているとも言える。

サー・サイモン・ラトル指揮、バーミンガム市響の1992年のセッションは、精緻なオーケストレーションを冷静に辿ったアプローチで、祖国愛の熱狂とは異なった方向から攻めた極めてスペクタクルな演奏だ。

一方第7番はアンドレ・プレヴィン指揮、ロンドン交響楽団による1977年の録音で、この作品はプロコフィエフにとっては最後の交響曲になるが、ここでもリリカルで、またスケルツォ的な性格が顕著だ。

特に第2楽章アレグレットは殆んどワルツで、1948年のジダーノフ検閲で当時のソヴィエトの作曲家には相応しくない作品として批判の槍玉にあがった曲でもある。

しかしプレヴィンの楽譜からの読み取りの深さは、そうした批判が必ずしも的を得ていなかったことを証明する高い音楽性を持っている。

交響的協奏曲は実質上チェロ協奏曲で、1952年にロストロポーヴィチのソロ、スヴャトスラフ・リヒテルの指揮で初演された。

このCDではロストロポーヴィチの愛弟子で女流のハンナ・チャンが師匠秘伝の作曲家自身の助言による解釈と、恐るべきテクニックを披露している。

アントニオ・パッパーノ指揮、ロンドン交響楽団による2002年のセッションで、題名の通り非常に充実したオーケストラ・パートをパッパーノが巧みに彫琢した緊張感とスリルに満ちた演奏が秀逸。

最後のバレー組曲『シンデレラ』は同名のバレー音楽から15曲を抜粋したもので、ロバート・アーヴィング指揮、ロイヤル・フィルの57年の歴史的セッションだが、デジタル・リマスタリングによって音質は良好。

蛇足ながらこのセットとRCAのラインスドルフ、プロコフィエフ作品集で彼の代表的なオーケストラル・ワークと協奏曲が揃うことになる。

勿論演奏の傾向は異なるが、優れたセッションの上に両者の選曲に全くだぶりが無く、また双方ともコスト・パフォーマンスの高い廉価盤なので、入門者にもお勧めできる。

ちなみに交響曲第1番『古典交響曲』は、どちらにも入っていないが、このEMI20世紀クラシック・シリーズのもうひとつのセット、協奏曲集にカップリングされている。

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classicalmusic at 00:14コメント(0)プロコフィエフ  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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