2018年07月06日

新時代の標題音楽、レスピーギの世界


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ワーナー20世紀クラシックス・シリーズの2枚組セットで、このレスピーギ編ではムーティ、フィラデルフィアのコンビによる『ローマ三部作』を圧倒的な名演としてお薦めしたい。

この演奏についてのレビューは既にシングル盤の方に投稿したので、興味のある方はそちらを参考にされたい。

その他の曲目はシェリーの詩によるメゾ・ソプラノとオーケストラのためのふたつの歌曲『日没』と『ラ・センシティーヴァ』が収められている。

前者はクリスティーネ・ライスのソロでアントニオ・パッパーノ指揮、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団、後者はジャネット・ベイカーのソロ、リチャード・ヒッコクス指揮、シティ・オヴ・ロンドン・シンフォニアの演奏で、欲を言えばベイカーのイタリア語の発音がいまひとつ不明瞭なのが残念だ。

他のオーケストラル・ワークとしては『鳥』及び『ボッティチェッリ三部作』をネヴィル・マリナー指揮、アカデミー室内の優れた演奏で聴くことができる。

前者はラモーを始めとするバロック時代の作曲家のクラヴサンやリュートのための作品からのアレンジで、四種類の鳥の鳴き声や姿態を描写している。

後者はルネサンスの巨匠の絵画『春』、『東方の三賢人の礼拝』そして『ヴィーナスの誕生』を音楽でイメージしたものとして興味深い。

『春』では軽快なルネサンスの舞踏曲を取り入れた清々しい花の季節の雰囲気をマリナーは小気味良いリズムと鮮やかな弦楽で描き、『三賢人』では東洋風のエレメントと教会旋法の扱いにも手馴れている。

また終曲では漣に乗って静かに進む貝殻の上の神々しいばかりのヴィーナスの姿を映像のように仕上げている。

レスピーギは20世紀きっての標題音楽の大家であり、あらゆる事象を音楽に写し取った作曲家だった。

しかもそれは聴くものにとって常に平明であり、難解な理論を振りかざすこともなかった。

また彼は古い音楽を独自の手法で蘇らせ、昔ながらの親しみ易い曲趣を随所に取り入れた。

彼は真の意味でのクラシック音楽の大衆化を願っていたと思うし、その最も効果的な方法を駆使して創られたのがこうした作品である筈だ。

それは絵画や映画などのジャンルとも密接に結び付いた、伝統的でありながらも新しい時代の標題音楽への試みと言えるのではないだろうか。

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classicalmusic at 00:03コメント(0)レスピーギ | ムーティ 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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