2018年07月08日
UHQCDバージョンによるブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデンのモーツァルト協奏曲集
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首席指揮者時代のブロムシュテット、シュターツカペレ・ドレスデンによるモーツァルト協奏曲集で、1973年にルカ教会で収録されたやや古い音源だが、新規のリマスタリングとUHQCD化によって鮮やかな音質が甦っている。
このディスクに収録された3曲の協奏曲とフルートと管弦楽のためのアンダンテのソロ・パートはいずれもシュターツカペレの首席奏者だ。
優れたオーケストラでは団員一人一人が一家言持ったソリストであり、気張らないコンサートでは著名な演奏家を外部から呼ばなくても仲間内でソロをカバーできるものである。
そうしたインティメイトな雰囲気の中で行われたセッションが当アルバムだ。
ヨハネス・ヴァルターのフルートを実際に聴いたことはないが、最近聴いた現在のシュターツカペレ・ドレスデンのフルート奏者の音色がこの録音と極めて似ていることに驚いた。
彼らはグローバル化が進んで個性を失いつつあるヨーロッパのオーケストラの中でも、かなり頑固なスタイルと音色を維持している。
ヴァルターは名人芸を聞こえよがしにアピールするタイプではないし、音色は輝かしくも耽美的でもないので、目の醒めるようなテクニックや甘美なソロを望む人には期待外れだろう。
しかしヴァルターの奏法が彼らの典型であることは認めざるを得ない。
クルト・マーンのオーボエもやや太く硬質な音色だが真摯な演奏にブロムシュテットのメリハリのあるサポートがひときわ精彩を加えている。
モーツァルトが音楽の基本とも言われるのは、彼の作品には他のあらゆる作曲家の作品に応用できる普遍的な音楽の表現力やテクニックの基本が要求されるからだ。
とは言え、彼ら全員がモーツァルトのオペラ上演でも鍛えられたゼンパーオーパーのオーケストラであることも無視できない。
シュターツカペレ・ドレスデンはやはりブロムシュテットの指揮で首席ホルン奏者ペーター・ダムとモーツァルトのホルン協奏曲を中心とする数多くの協演を残している。
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