2018年08月03日

グルダ歿後10年の記念リリース ベートーヴェンのソナタ全曲 '53 & '54年 セッション初収録の正規完全初出音源


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ウィーンの生んだ名ピアニスト、フリードリヒ・グルダが世を去って歿後10年にあたる2010年、オルフェオによって3種目となるベートーヴェンのソナタ全曲録音が復刻リリースされた。

もちろん完全初出の正規音源に拠るもので、フィルアップにはやはり完全初出の「エロイカ」変奏曲とディアベッリ変奏曲、さらには初出レパートリーのバガテルまで含まれるという内容である。

グルダのもっとも重要なレパートリーのひとつとされるベートーヴェンだが、ソナタではスタジオ・セッションによる2種の全曲録音がよく知られている。

ひとつは、デッカによって'54年2月にロンドンで開始され、'58年にウィーンのゾフィエンザールで完結したモノラル・セッション録音(全曲のリリースは'73年)。

いまひとつは、'67年にオーストリア放送の協力で、アマデオのもとクラーゲンフルト・スタジオでまとめに行なわれたステレオ・セッション録音('68年にリリース)。

グルダによるソナタ録音のほとんどすべては、この2度のセッション・レコーディングに集約されるが、いくつかのナンバーについては、たとえば、第31番のように、'59年のシュヴェツィンゲン音楽祭(hanssler 93-704)、'64年のザルツブルク音楽祭(ORFEOR-591021)、'93年のモンペリエといった具合に、別演奏のライヴ録音が存在している。

'48年以来、グルダはベートーヴェンのソナタ全曲演奏会シリーズの計画を温めており、これは年代順に取り上げてゆくという先駆けだったが、実際に初めて実現したのは'53/54年のシーズンの始めであった。

グルダはオーストリアの5つの都市、クラーゲンフルト、ウィーン、リンツ、グラーツ、ザルツブルクでソナタ全曲を弾いている。

このセットに収められているすべてのソナタは、ちょうどグルダがベートーヴェンに専念していたこの時期、'53年10月から'54年1月にかけて、まだソビエトの管理下にあったウィーンのラジオ局RAVAGによってスタジオ収録されたものである。

収録当時グルダは24歳、現状で上記を含めた3種のうち、最初のセッション録音にあたるわけだが、じつに3度にもおよぶセッション録音を果たしたピアニストはほかにアルフレート・ブレンデル、ダニエル・バレンボイムくらいで、きわめて稀な例ではないだろうか。

どこまでも美しく輝かしく、そして雄弁なピアノの音色、早くから完成されたテクニックを武器に生涯数々の伝説を打ち建ててきたユニークなピアニストによる超一級のドキュメントとして、また上記2種の全集との相違も含めて、「1953/54年ウィーンでの全集録音」は、今後ますます重要なポジションを獲得していくものと考えられる。

ソナタだけでも十分過ぎるほどの内容であるが、さらにうれしいことにフィルアップもまた貴重で、エロイカ変奏曲とディアベッリ変奏曲も、2種目となる初出音源、さらに、6つのバガテルについてはグルダ初出のレパートリーになる。

紙製スリップケース入りのCD9枚を収めた外箱は、約30ミリ厚のクラムシェル・タイプ。独・英・仏語による68ページのブックレットが付属。

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classicalmusic at 22:03コメント(0)ベートーヴェン | グルダ 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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