2018年08月19日

ザンデルリンク、ベルリン交響楽団による会心のショスタコーヴィチ


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クルト・ザンデルリンクはナチスのユダヤ人迫害から逃れてソヴィエトに亡命し、ムラヴィンスキー音楽監督時代のレニングラード・フィルの客演指揮者として研鑽を積んだ。

尤もムラヴィンスキーのような全軍水も漏らさず統率する強面の指揮官というイメージはない。

ここでも緻密だがオーケストラの持ち味を活かした柔軟な音楽作りが冴えていて、決して強引と思われるような牽引もなければ聴き手を疲弊させることもない豊かな音楽性を発揮させることができた指揮者だった。

彼は録音活動にはそれほど恵まれなかったが、その実力はゲルマン、スラヴ系の作品に示された楽曲に対する手際の良い采配と音響力学の巧みな配分やあざとさのない歌心、クライマックスでの自然な、しかし力強い高揚感などに表れている。

特にザンデルリンクはショスタコーヴィチとはソヴィエト時代に個人的な交流があったために、作曲家の良き理解者でもあった彼が情熱的に取り組んだ重要なレパートリーだ。

交響曲第15番はロッシーニを始めとする他の作曲家や自作のパロディーの応酬が聴きどころだが、それはショスタコーヴィチの人生の走馬燈だったのかも知れない。

彼らの演奏はシニカルというよりスコアからのダイレクトな表現で、かえってこの作品の構想を真摯に捉えたものだと思う。

ベルリン交響楽団(現在のベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団)は旧東ドイツではシュターツカペレ・ドレスデン、シュターツカペレ・ベルリンやライプツィヒ・ゲヴァントハウスなどに続く典型的な質実剛健なオーケストラで、ザンデルリンクの下でその実力を培ってヨーロッパを代表する名門になるまでに至った。

それはこのディスクに収録されたショスタコーヴィチの最後の交響曲でも明瞭に聴き取ることができる。

この作品のいたるところにソロや複雑なアンサンブルがちりばめられていて、彼らの高い水準の合奏力とメンバー1人1人のテクニックが示されているし、勿論総奏の時の迫力も申し分のないものだ。

1978年に当時の東ベルリン・イエス・キリスト教会で収録されたドイツ・シャルプラッテン音源だが、西側と全く変わらない良好な音質で残されていて、今回のUHQCD化によって雑味の払拭されたサウンドが再生される。

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classicalmusic at 20:04コメント(0)ショスタコーヴィチ | ザンデルリンク 

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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