2018年08月23日

ザンデルリンク、ベルリン交響楽団によるショスタコーヴィチ第8番


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ザンデルリンクはこの作品を構成している限りないほどの音楽的あるいは心理的な動機を整然と纏め上げて、ショスタコーヴィチ自身の言葉から発せられていないメッセージを伝えようとしているように思われる。

彼は自分の作品がジダーノフ批判に曝されたことも影響して、芸術を語る時にも当局の監視を常に意識していた筈だ。

第1楽章の後半にみせるドラマティックなサウンドと終楽章の静謐だが不気味な余韻を残す終焉に、作曲者の抑圧された心情が隠されているようにも感じられる。

第4楽章パッサカリアでのヴァリエーションの連なりには音量的なクライマックスがなく深遠に渦巻くような情念が、最後のフルートのフラッタリングまで緊張感を持続させている。

この作品でもショスタコーヴィチはソナタ形式を始めとしてスケルツォ、パッサカリアやフーガなどの伝統的な手法を執拗に繰り返して、交響曲に対する彼の作曲上のコンセプトを明確にしているし、彼がマーラー以降の交響曲作家たる存在感を示す面目躍如の作品に仕上げているが、ザンデルリンクの演奏は至って真摯でスコアの本質を読み取った解釈と言えるのではないだろうか。

録音会場に使用されたベルリンのイエス・キリスト教会はカラヤン、ベルリン・フィルが使った同名の教会ではなく、当時の東ドイツ側に属していて、現在ではエヴァンゲリスト教会と改名されている。

内部はドレスデンのルカ教会に比較するとやや小振りでシンプルだが、ゴシック様式の高い天井と頑健な壁面が影響していると思われるしっかりした明瞭なサウンドが得られ、ショスタコーヴィチの精緻なオーケストレーションを再現するには理想的な会場だったことが想像される。

1976年の収録だが非常に鮮明であることに加えて、UHQCD化による透明度の高い音質で、ドイツ・シャルプラッテンの原音の特徴が良く表れている。

この頃の彼らのアナログ音源が西側に匹敵する音質を誇っていたことも納得できる1枚だ。

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classicalmusic at 20:18コメント(0)ショスタコーヴィチ | ザンデルリンク 

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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