2018年08月27日

ショスタコーヴィチの夢、幾らかお行儀の良過ぎるコンセルトヘボウ


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ショスタコーヴィチは若い頃からクラシック以外のジャンル、ポピュラー・ミュージックやジャズにも造詣が深く、習作とは言えないほどのかなりの数の本格的な作品を書いているし、また映画音楽にも取り組んでそのオールマイティーな才能を発揮した。

それらは彼の後の交響曲などから見ればきわものとして扱われるが、作曲当時から大人気を博した作品群で、彼の意外なプロフィールを披露していて興味深い。

このディスクではジャズ組曲第1番及び同第2番、ピアノ協奏曲第1番ハ短調とヴィンセント・ユーマンスの『二人でお茶を』のオーケストラ用アレンジが収録されている。

演奏の方だがロイヤル・コンセルトヘボウのメンバーは流石に巧く、アンサンブルとしても洗練されていて、シャイーの纏め方にもケチのつけようがない。

しかしオーケストラが精緻になればなるほどプリミティヴで荒削りな側面やジャズの命とも言えるインプロヴィゼーションの面白さが失せてしまうことも事実だろう。

それゆえクラシックとして鑑賞するのであれば非の打ちどころのない演奏だが、組曲第1番などは純粋なジャズ・バンドで聴いてみたいという欲求に駆られるというのが正直な印象だ。

その点ピアノ協奏曲もさまざまな音楽からの影響を受けた作品ではあるにしても、クラシックの範疇に留まった再現は上出来で、ブラウティハムのピアノ・ソロも首席奏者マシュールスのトランペットも力強く冴え渡っている。

ジャズ組曲第2番は第1番よりも規模が大きくなっているが、実際にはステージ・オーケストラのための組曲で本来のジャズ組曲第2番は戦時中に紛失したようだ。

この作品はいわゆるジャズではないが、ショスタコーヴィチが交響曲で見せる暗澹とした重苦しい雰囲気とは全く異なった、底抜けに明るいイメージが同じ作曲家の作品とは思えないほどのコントラストに驚かされる。

最後の『タヒチ・トロット、二人でお茶を』はユーマンスの曲だが、指揮者ニコライ・マルコの提案した1時間以内でのオーケストラ・アレンジという賭けに応じて、22歳のショスタコーヴィチが僅か40分で仕上げたといういわく付の編曲物だ。

小粋で洒落たセンスと色彩感豊かなオーケストレーションに成功しているのも彼の天才性を示すエピソードだろう。

1988年から91年にかけてアムステルダム・コンセルトヘボウ大ホールでの収録で、当時のデッカの音質は極めて良好。

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classicalmusic at 19:57コメント(0)ショスタコーヴィチ | シャイー 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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