2018年08月29日

燃焼度の高いライヴ、アンチェル、コンセルトヘボウのステレオ音源(1)


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1969年と翌70年にカレル・アンチェルがアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団に客演した時の音源の第1集になり、同時に残りの2枚分の第2集もリリースされた。

これらは初出音源ではなく、既に全曲とも仏ターラ・レーベルから出ていたものだが、今回日本のアルトゥスからリマスタリングされてのライセンス・リイシューになったようだ。

いずれも若干客席からの雑音が聞こえるが、良好なステレオ録音で残されていたことは幸いで、カナダ亡命以後1973年に亡くなるまでのアンチェルの精力的な客演の貴重な記録でもある。

一般にチェコ・フィルを離れた後の彼の音楽活動は精彩を欠いたように言われているが、実際には手兵トロント交響楽団とは1972年に病状が悪化するまでに170回ほどの定期演奏会をこなしている。

客演でもこのディスクに収録されたコンセルトヘボウとの16回に及ぶコラボの他にもクリーヴランド管弦楽団やニューヨーク・フィルハーモニックとも成功を収めた。

彼が病に倒れなければその後こうした名門オーケストラの音楽監督に就任したことは間違いないだろう。

それだけに指揮者としてはこれからという65歳で亡くなったことが惜しまれてならない。

このディスクに収録されたレパートリーは、言ってみればスタンダード・ナンバーでベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲とお国物のドヴォルザークの交響曲第8番である。

これらは確かにスプラフォンへのセッション録音がないが、後者ではプラハ・ライヴのチェコ・フィルのナショナリズムの熱狂にも優るとも劣らない、一瞬の隙も見せない燃焼度の高いドラマティックな演奏に驚かされる。

それは彼のライヴに対する柔軟な姿勢を証明している。

ベートーヴェンの方は当時のコンセルトヘボウのコンサート・マスターだったヘルマン・クレバースのソロで、洗練された美しい音色と気品に満ちた解釈が聴きどころだ。

冒頭のティンパニのモチーフを強調したアンチェルの力強いサポートが、彼の演奏に大きなスケールを与えている。

第1楽章終了後に勇み足した聴衆がすかさず拍手を贈っているが、これは当日ホールに集った人達の演奏への正直な対応だろう。

尚録音データに関しては、リンクしたアマゾンのページに詳しいので参照されたい。

今回のリイシューにも日本語によるライナー・ノーツが掲載されて、コレクターのための便宜が図られている。

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classicalmusic at 20:36コメント(0)アンチェル | ドヴォルザーク 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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