2018年09月06日

アルゲリッチ・エディション、協奏曲編


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マルタ・アルゲリッチの比較的得意な協奏曲を集めたセットで、彼女のピアノは冴え渡り、音の粒が輝き鮮明なうえ、表現の陰陽や緩急を効かせたフレーズの歌わせ方も見事。

オーケストラ伴奏は総じてやや控え目だが、それがかえってアルゲリッチの個性を際立たせていて、むしろ良い効果を編み出している。

前半の2枚はシャルル・デュトワ指揮、モントリオール交響楽団との協演による協奏曲集で、ショパンの2曲では特に緩徐楽章で聴かせる彼女の円熟期特有の細やかな情緒の表出が際立っている。

また2曲のプロコフィエフとバルトークでは、若い頃の突っ走るようなパッショネイトな表現はやや抑制されて、内省的な深みと大家の風格が加わっている。

一方後半の2枚はいずれもスイス・イタリア語圏放送管弦楽団とのライヴ録音で、ベートーヴェンの『トリプル・コンチェルト』はカピュソン、マイスキーとの巧みなアンサンブルと彼らの奏でる音色の美しさが聴きどころだし、速めのテンポで締めくくる終楽章「アッラ・ポラッカ」は実に爽快だ。

またナカリャコフの鮮やかで小気味良いトランペットとのやり取りが印象的なショスタコーヴィチの協奏曲も秀逸。

尚最後に収録されたピアニスト、プレトニョフの力作『スイス幻想曲』の指揮は彼自身で、モギレフスキーがソロを弾いている。

スイス観光局の宣伝のような曲の出来は兎も角として、アルゲリッチは2008年のルガーノ音楽祭の芸術監督としてこの曲を採り上げたが、実際の演奏には参加していない。

オーケストラはまだ洗練の余地を残しているとしても、良く健闘している。

この巻では総てがデシタル録音盤で、音質についてはEMIに共通する弱点である、オーケストラの弦楽器の響きが薄くなる傾向が無きにしも非ずだが、全体的には満足のいく録音状態だ。

ブックレットには曲目紹介、録音データの他に3巻共通の簡単な彼女の略歴とルガーノ音楽祭でのアルゲリッチ・プロジェクトについてのエピソードが英、独、仏語で掲載されている。

アルゲリッチは2002年から同地の音楽祭で自身のプロジェクトによるフェスティヴァルを開催しているだけあって、3巻18枚のボックス・セットの殆んどの曲がそのライヴから採られている。

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classicalmusic at 20:04コメント(0)アルゲリッチ  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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