2018年09月20日

カレル・アンチェル、チェコ・フィルのゴールド・エディションから


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2002年から2009年にかけてチェコ・スプラフォンからアンチェル、チェコ・フィルによる録音集の新規リマスタリング盤がゴールド・エディションとして全42集及び拾遺集の都合46枚のCDがリリースされた。

それらは総て個別売りなので全部揃えるには大枚をはたかなければならない。

いずれバジェット・ボックスで再販されることを期待したいが、中でも聴き逃せない演奏のひとつが第4集の当ディスクで、フランスのクラシック音楽雑誌ディアパゾンからディアパゾン・ドール・ディスク賞を受賞している。

選曲は19世紀の親しみ易いロシアの標題音楽をリカップリングしたもので、一見万人向けのプログラムだが、耳障りの良いだけの甘口で陳腐な演奏とは全く縁のない、アンチェルの非凡な解釈とチェコ・フィルの練り上げられたオーケストラとしての実力を堪能できる1枚としてお薦めしたい。

『展覧会の絵』はアンチェルとチェコ・フィルによる最後の録音で、整いすぎているが、きりりと引き締まった造形の厳しい演奏である。

オーソドックスなラヴェル編で、華麗なオーケストレーションの色彩美を満喫させてくれるだけでなく、ラテン系のオーケストラでは味わえないロシア的情感とスラヴ臭さを残した表現がムソルグスキー特有の朴訥さや力強さを伝えることに成功している。

またそれぞれの曲中にちりばめられたソロやアンサンブルでもチェコ・フィルの首席奏者達が面目躍如の大活躍で聴かせてくれる。

「古城」での渋い音色で奏でられるサクソフォンのうら哀しさや「ポーランドの牛車」でのテューバの醸し出す土の薫り、不気味な「ババヤーガの小屋」などの表現はそれだけで映像的だが、またそれ以上にこれらの音楽的ベクトルが終曲「キエフの大門」に向かって次第に収斂される凄まじさは尋常ならざるものがある。

それはひとつひとつの音画の組み合わせに留まらず、アンチェルによって完璧に読み取られ、構築されたビルディングと言うべきだろう。

最後のリムスキー=コルサコフの『スペイン奇想曲』はスペイン情緒満載というわけにはいかないが、チェコ・フィルのメンバーがここでも水を得た魚のように軽妙なアンサンブルを披露するのが聴きどころだ。

アンチェルはヴァイオリンを始めとするフルート、オーボエ、クラリネットなどの名人芸を惜しみなく発揮させながら、この作品の愉しさと彼らの憧れるエキゾチックな世界を熱っぽく演奏している。

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classicalmusic at 20:33コメント(0)アンチェル | ムソルグスキー 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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