2018年10月02日

ザンデルリンク、別音源のラフマニノフ交響曲第3番


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2015年に独ヘンスラー・プロフィールからクルト・ザンデルリンク・エディション第1集交響曲編11枚がリリースされた時にラフマニノフの交響曲全3曲も組み込まれていた。

第1番及び第2番はレニングラード・フィルとのモノラル録音で、第3番は1994年の北ドイツ放送交響楽団とのステレオ・ライヴだが、当時同曲では彼の唯一の音源という触れ込みだった。

しかし今年になって南西ドイツ放送SWRクラシックから出たこのディスクのデータを見ると前者の翌年にシュトゥットガルト放送交響楽団に客演したセッション録音で、オリジナルSWRテープからのディジタル・リマスタリングと記載されている。

確かに音質は極めて良好で、精緻かつ巧妙なラフマニノフのオーケストレーションを、ザンデルリンクの決して冷淡にならない血の通った指揮と、シュトゥットガルトの手堅い演奏で堪能することができる。

下積み時代をレニングラードで過ごしたザンデルリンクにとって、ロシア物は彼が完璧に手中に収めたレパートリーのひとつであった。

当ディスクではムソルグスキーの歌劇『ホヴァンシチナ』から第1幕への前奏曲「モスクワ河の夜明け」とのカップリングで、ロシアの色濃い抒情で満たされている。

ムソルグスキーはオーケストレーション・スコアを遺さなかったので、コンサートではしばしばリムスキー=コルサコフ版が使われている。

ザンデルリンクはショスタコーヴィチがピアノ譜から忠実に構想した1958年版を採用して、情景描写にも優れた手腕を示したムソルグスキーの骨太で力強い音楽が活かされている。

一方作曲家としてのラフマニノフの作風は先輩マーラーや同世代のシェーンベルク、スクリャービン、少し後のストラヴィンスキー、バルトーク、プロコフィエフなどに比べるとかなりレトロ調で、後期ロマン派の残照の中に拭い去ることのできない憂愁を引き摺ったロマンティックな感性を、彼は終生捨てることがなかった。

彼の最後の交響曲も時代遅れと言ってしまえばそれまでだが、起伏に富んだ曲想が華麗なオーケストレーションで装飾されたロマン派最後を締めくくる作品のひとつだろう。

曲中には彼がスコアに遺したサインのようにグレゴリウス聖歌の『怒りの日』の旋律が断片的なモチーフとして記されている。

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classicalmusic at 20:26コメント(0)ザンデルリンク | ラフマニノフ 

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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