2018年10月15日

ミュンシュ、ワーナー音源の集大成13枚、ルーセルの組曲ヘ長調は初CD化


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シャルル・ミュンシュ(1891-1968)没後50周年記念としてEMI及びエラートの全音源を纏めた13枚のバジェット・ボックス。

ライナーノーツを見るとCD1から6までは1965年から68年にかけて録音された晩年のステレオ音源で、今回新規にリマスタリングされているので、この6枚に関しては良好な音質で鑑賞できる。

このうちCD2のルーセルの組曲ヘ長調は初出音源ではないが初CD化と記載されている。

彼はボストン時代を中心にRCAに膨大な音源を遺していて、それらは同メーカーから既に86枚の豪華ボックス・セットでリリースされているが、こちらはそれに比較すればずっと質素な装丁ながらリーズナブルなバジェット価格が魅力だ。

ミュンシュといえばベルリオーズの演奏に長じていることは、既に広く知られているが、幻想交響曲を聴かないわけにはいかない。

この作品で彼は他の追随を許さないほどの回数のコンサートを行って、彼の即興性とデモーニッシュな感性がその度ごとに変化する指揮ぶりに驚かされる。

このセットでも1967年のパリ管弦楽団と1949年のフランス国立放送管弦楽団の2種類が収録されていて、その表現の違いを聴き比べることができる。

特に前者は生気溢れる颯爽たる演奏で、見事なバランスをもって竹を割ったようにすかっとした表現をしているが、この演奏には、テンポの緩急の変化がかなり強く出ているのと、情緒的に劇的構成をつくるのが各所にみられ、それがまた表現を豊かにしている。

一方CD7から13はかつてSP盤でリリースされた総てがモノラル録音の古い音源になり、やや売れ残りの在庫一掃のような印象がある。

ただし板起こしではなく正規のマスター・テープからCD化されたもののようで、確かにスクラッチ・ノイズも破綻もなく鑑賞に不都合はないが、音質は時代相応といったところだ。

殆んどがフランスの作曲家の作品で、こちらでは往年の大演奏家、ジャック・ティボー、アルフレッド・コルトー、ヨゼフ・シゲティやマルグリット・ロン、歌手ではピエール・ベルナックやシャルル・パンゼラなど豪華な協演者が名を連ねている。

また超個性的なオーケストラだった当時のパリ音楽院管弦楽団の演奏集としても興味深い、いわゆる歴史的録音のコレクションとしては貴重なものに違いない。

やはり、指揮の芸術が始まって以来、つまりハンス・フォン・ビューロー以来、ニキシュをはじめ忘れてならぬ巨匠たちの連名に欠くことができない1人であることは間違いないこの人の演奏は、それが実際の音として残されているものであるだけに、いい加減に扱わず、総てをいつでも参照できる状態にしておくことが望ましい。

ミュンシュは経歴からも、業績からも、真のコスモポリタンであった音楽家の最上の能力を証明する、類のない貴重な実績の記録なのだから。

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classicalmusic at 00:15コメント(0)ミュンシュ | ベルリオーズ 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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