2018年10月19日
ベームのモーツァルト交響曲全集ブルーレイ・オーディオ化、日本語訳掲載
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言わずと知れた不朽の名盤で幾度となくリイシューを繰り返しているベーム、ベルリン・フィルのモーツァルト交響曲集だが、最近の箱物ではハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン及びブラームスの交響曲を纏めた22枚がユニヴァーサル・イタリーから出ている。
事実上そのうち10枚のモーツァルトを抜き出したセットにブルーレイ・オーディオ1枚を加え、音質をグレードアップしたリニューアル盤ということになる。
個人的にはレギュラー・フォーマット盤10枚は割愛しても良かったと思うが、これからベーム演奏集のコレクションを始めたいという入門者にとってはリマスター盤のリリースは朗報だろう。
いずれにしても過去の名演奏家の記念碑的なコレクションは、ハイレゾによる音源のみの配信よりも、形として残るハード・メディアの方がまだ支持されることを熟知した企画と思われる。
同音源による従来盤CDとブルーレイ・オーディオを抱き合わせにするアイデアは専用の再生機器の普及状況に合わせたストラテジーだろう。
ただここで注目されるのは当然音質の変化なので、ブルーレイ・オーディオを聴き比べた感想を書いてみることにする。
同セットに組まれているCDと聴き比べると歴然としているが、DSDリマスタリングによるブルーレイ盤では解像度が俄然アップした。
そのために弦楽部は勿論フルートやオーボエなどのオーケストラのそれぞれの楽器の音像のディティールの違いが明瞭に感知できる。
レギュラー・フォーマット盤では音量が嵩上げされているが雑味も混入している。
ブルーレイではその点がすっきりして濁りや余計な音場の拡がりがなく、圧倒的な情報量のためか滑らかでより自然な音色が得られている。
同じ音量で鑑賞するとブルーレイの方が僅かにコンパクトに聞こえるが、ボリュームを上げると精緻な音質が破綻なく拡大される。
この差は明らかだ。
ブックレットは55ページで収録曲目リストの他に、ペーター・コッセのベームに関するエッセイとハインツ・ベッカーのモーツァルトの交響曲についての解説が欧文と共に日本語訳でも掲載されているのは親切な配慮だ。
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