2018年10月23日
ランパルのエラート及びHMVへのコンプリート音源
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ジャン=ピエール・ランパル没後15周年記念としてリリースされた全4巻計69枚のCDセットの第1巻に当たり、この10枚はコンプリート・エラート音源の第1集目となっている。
以降順次ワーナー傘下のレーベルの総ての録音が復活しリリースされたので、順次取り上げてみたい。
これらの中には廃盤の憂き目に遭ったものも多く、筆者自身LPでしか持っていない演奏もあったので結局購入することにした。
周知の通りレパートリーに関してランパルはオールマイティーで、どの作曲家の作品を聴いても期待を裏切られることはないが、一大ブームを惹き起こしたバロック音楽ではいわゆるピリオド奏法とは一線を画したモダンでスマートなアプローチが特徴的だ。
当然それは古楽の再現ではなく、あくまでも現代的センスに溢れたユニークな解釈と言えるだろう。
このセットは4巻の中では最も古い1954年から63年までの多くのモノラル音源を含んでいて、時代相応の稚拙な録音やヒス・ノイズも目立つが、彼の多彩な芸術観を知る上で一聴の価値がある。
筆者がランパルの演奏をLPで初めて聴いたのは少年時代に遡るが、その後実際のコンサートで見た金色に輝くフルートを携えた彼の姿は、その演奏からも殆んどマジシャンのようなイメージを残した。
今でこそ鍍金されたフルートは珍しくないが、少なくとも筆者が見た初めての金のフルートが彼のものだったと記憶している。
その燦然と輝くような艶やかで垢抜けした音色と軽やかで流麗な奏法は如何にもフランスの奏者に相応しいものだった。
ランパルはその録音の多さでもモーリス・アンドレと並んで同時代の他の管楽器奏者を圧倒的に凌駕している。
その代表的な部分がエラート音源なので第2巻以降も期待できるが、また彼と協演した当時の多くのソリスト、指揮者やアンサンブルの一時代を画した名演が再現されるのも嬉しい。
例えば指揮者としてはジャン=フランソワ・パイヤール、クルト・レーデル、フリッツ・ヴェルナー、ソリストではハープのリリー・ラスキーヌ、オルガンのマリー=クレール・アラン、チェンバロではロベール・ヴェイロン=ラクロワなど往年のメンバーが花を添えている。
ライナー・ノーツは27ページほどで曲目一覧及び演奏者、録音データの他に英、仏、独語による簡易なランパルのキャリアが掲載されている。
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