2018年11月12日

映画を知り尽くした老獪なサウンド、多彩なモリコーネの世界


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2007年にエンニオ・モリコーネがアカデミー賞・名誉賞受賞記念を祝したCD(3枚組・全60曲)。

音楽だけを聴いていると、これが1人の作曲家が手掛けた作品群とは思えないほど、1曲1曲が個性的で多様な音楽的要素が含まれている。

それだけでなく、おそらく殆んど総てのジャンルのミュージックをそれぞれの映画監督の映像的構想の中に昇華させていく変幻自在のモリコーネ独自の世界が繰り広げられていることに驚かざるを得ない。

しかしながらそれらが映画のシーンと切り離すことができないほど渾然一体となって脳裏に焼き付いているために、BGMとしてなら気にならないかも知れないが、このディスクのように次から次へと並べられるといくらか忙しい編集という感じは否めない。

例えば同じ映画のために作曲された音楽はトラックを一箇所に纏めることができた筈だし、曲数を減らしても作品ごとのストーリーを追った、よりコンプリートな編集を望みたいところだ。

映画は大衆の娯楽として誕生したが、次第にドキュメンタリーとして、あるいは文学作品の領域にも深く進展して独自のアートとしてのジャンルを確立してきた。

特にトーキーの時代を迎えてからは映像の背景を演出するには欠かすことのできないエレメントになって、ショスタコーヴィチやオネゲルなどのクラシックの作曲家達の映像のための創作意欲を高めたことも事実だ。

しかしモリコーネの音楽は大衆の好みを決して手放すことはない。

勿論レベルを下げるのではなく、むしろ啓発してきたのだと思う。

彼は映像と音楽がどんな関係にあって、自分の曲がどの場面で最大の効果をもたらすかも狡猾なくらい熟知している。

それは彼の映画音楽制作への才能や情熱だけでなく、これまでに彼が参画してきた作品からの豊富な経験から会得した能力でもあるだろう。

だから音楽だけを良く聴いていると、いくらかあざといと思われる部分が無きにしも非ずだが、映像を伴った時に観衆を強力に引き込んでいく老獪とも言えるサウンドは忘れることができない。

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classicalmusic at 00:38コメント(2)現代音楽 | 映画 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2022年06月08日 22:13
5 ジョン バリー,ジョン ウイリアムズ,ミッシェル ルグラン,フランシス レイ,ヴァン ゲリス,数多くの映画音楽作曲家の中で質量ともに優れた作品を残した一番手はエンニオ モリコーネでしょうね。子供の頃は彼のマカロニウエスタンのテーマ曲にしびれ,後年はノスタルジーに溢れたメロディを聴くといつも名画のシーンを思い出してしまいます。私も彼の音楽ファンで<続夕陽のガンマン>,<ワンスアポンアタイムインアメリカ>,<ミッション>,<ニューシネマパラダイス>はサントラ盤を購入しました。本ディスクはそれら全てが網羅されており,画期的な企画集と言えるでしょう。
2. Posted by 和田   2022年06月08日 23:26
ジャンルにこだわりたくないのですが、やはり映画音楽は門外漢のようで、そこまでご指摘を受けますと恐縮してしまいます。フランシス・レイは亡くなったときはよく覚えていて、ついCDを購入してしまいましたが、こういう耳馴染みのよい音楽に限って長続きしません。モリコーネに限ってはもう少しかじってみます。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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