2022年10月14日

スーク🎻カッチェン🎹明るい響きに満ちた心優しい💝ブラ−ムス:ヴァイオリン・ソナタ全集🎶吹き抜ける春風のような爽やかさを残す名演


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明るい響きに満ちた心優しいブラームスで、吹き抜ける春風のような爽やかさを残す名演だ。

さりげなく流れゆく音楽の中に優しさの滲み出た演奏で、ブラームスはこんなに優しい人だったのか、と認識を新たにさせられる。

それはスーク自身が求めたであろう自然の発露のように感じられ、外側に向かって開かれた開放的で官能的なブラームスだ。

それでいて耽美的なくどさがないのは彼の端正で洗練されたスマートな解釈に負っていると思われる。

当然ながらこうした表現にはスークの明るくしなやかな弦の響きがことのほか適している。

哲学的な深刻さはないにしても詩情溢れた演奏で、この点では曲想を深く掘り下げ、内面に向かって緊張感を収斂させていくシェリングの解釈とは対極をなしているのではないだろうか。

一方伴奏者のジュリアス・カッチェンはスークやシュタルケルなどとしばしば共演してアンサンブルのジャンルでも幅広い活動を行ったピアニストだ。

このブラームスのヴァイオリン・ソナタ全集はカッチェンの死の2年前、40歳絶頂期の時のサポートで、スークのヴァイオリンを抑制された繊細なアプローチで巧妙に支えている。

情熱をむき出しにすることなく、かといって優しいだけでもない、その一音一音には確かな芯がある。

第1番の第1楽章は構成的にかなり難物で、若手奏者の録音のなかにはうまくいっていないものが多い。

スークは全体の見通しが確かな上に、アダージョ楽章中間部の重音のヴィオラ的な響きも美しい。

豊かなヴィブラートの効いた、芳醇な音色、朗々とした歌、ブラームス特有の渋さ、味わい深さが最も表れている演奏なのではないだろうか。

筆者としても、様々なブラームスのヴァイオリン・ソナタを聴いてきたが、この演奏は聴けば聴くほどに心に染み入ってくるので、一番の愛聴盤になっている。

このソナタ集と同時期、つまり1967年に行われたセッションで両者が採り上げた『F.A.E.ソナタ』からの「スケルツォ」に関しては、同じデッカからリリースされているブラームスのピアノ三重奏曲集2枚組の方に収録されている。

尚この音源はオーストラリア・エロクエンスからのリイシュー盤CDのもので、当時のデッカの録音チームの優れた録音技術を鮮明に蘇らせている。

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classicalmusic at 12:09コメント(0)スーク | カッチェン 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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