2018年12月08日

最良のコラボ、ブロムシュテット、ゲヴァントハウスのライヴ集


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ヘルベルト・ブロムシュテットがライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターだった1998年から2005年までのライヴ音源を集成したボックス・セット。

オーケストラ固有のポテンシャルを最大限に引き出すことにかけて絶大な信頼を獲得してきた巨匠の手腕が見事に発揮されている。

これには全曲の録音を担当したアイケ・ベームの腕前が非常に優れていることも大きく影響しているものと想われる。

ともすると音が薄くなりがちなコンサート・ライヴ録音という環境の中で、重厚で質感の確かなサウンド・ポリシーを維持できている。

しかし音質から言えばその後同じメンバーによって録音されたSACDバージョンのブルックナー交響曲全集の方が、より徹底した録音体制を整えていて鮮明で瑞々しい音響が再生される。

特にニールセンの交響曲第5番は彼らのサウンドが鮮烈なだけに更なる音質のグレードアップが望まれる。

このセットの5枚は演奏中にも客席からの雑音が若干混入していて、音質にもやや雑身が感じられるが、演奏自体に関してはブルックナー全集に優るとも劣らない充実した内容を誇っていて、彼らの最良のコラボレーションを感じさせる。

派手さを抑え、ピラミッド型の低域豊かな音調と、コンヴィチュニー時代の再来を思わせる第2ヴァイオリン右側の対向配置も実に効果的。

収録された作品も、この名門オーケストラがかつて築いた栄光を現代に蘇らせるような王道レパートリーが中心に選ばれており、腹にズシンと来るブルックナーやブラームス、メンデルスゾーン、ベートーヴェンの魅力を心行くまで味わうことが可能だ。

特に彼らの十八番メンデルスゾーンの交響曲第3番『スコットランド』では第3楽章の溢れる抒情と鮮やかなコントラストを成すパワフルな終楽章に驚かされるし、ブラームスの交響曲第2番でも終結部に向かうドラマティックな表現には圧倒される。

また、王道演目ではないものの、ブロムシュテットが得意とするニールセンの交響曲第5番も、ここではドイツ音楽のように重厚に響いて独特の構築的な魅力を発散させている。

尚メンデルスゾーンの交響曲第3番とピアノ協奏曲は、ブライトコプフ&ヘルテルの新全集による世界初録音になる。

一方、唯一の現代作品であるジークフリート・マットゥスのオーケストラのための協奏曲『宣託』は現代音楽にも造詣の深いブロムシュテットとゲヴァントハウスの強みを示した豪快な演奏だ。

これはブロムシュテットが1977年にシュターツカペレ・ドレスデンを指揮して初演した作品で、骨太の音響ながら聴きやすいスタイルが、この作曲家とクルト・マズアが親しかったことも思い起こさせる。

128ページに及ぶブックレットが充実しているのもこのセットの特長で、ブロムシュテットがゲヴァントハウス管弦楽団を指揮した過去の全記録が掲載されているなど資料性も高い立派なものだ。

そこにはブロムシュテット在任中の307回に及ぶライプツィヒでの定期演奏会と、更に海外における180回のコンサートでゲヴァントハウスと共演した演奏曲目が作曲家ごとに纏められている。

その多彩な演目は見るだけでも壮観だが、特に彼のゲルマン系の作曲家の作品に懸ける情熱はひとしおだ。

また後半にはここに収録された総ての曲目に演奏会当日のプログラムに掲載されたと思われるかなり詳しい解説が付けられている。

オケのイメージにふさわしい質実剛健なボックス・デザインと、中身のサウンド・キャラクターもうまく合致している。

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classicalmusic at 00:23コメント(0)ブロムシュテット  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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