2018年12月18日

不世出のトランペッター、モーリス・アンドレへの追悼


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2012年2月に鬼籍に入ったモーリス・アンドレのEMIへのセッションをまとめた13枚組のボックス・セット。

彼の没後ユニヴァーサルからも6枚組の追悼盤が逸早くリリースされたが、そちらのほうは曲目の殆んどがバロック音楽に絞られている。

それに対してこのEMI盤の中心となるのはテレマン、タルティーニ、ハイドン、フンメルに代表されるバロックから古典派にかけての42曲の協奏曲(協演者の異なる同一曲や編曲物を含む)が収録されている。

CD1はカラヤン、ベルリン・フィル、CD3はへスス・ロペス=コボス、ロンドン・フィル、CD4はネヴィル・マリナ−、アカデミー室内、そしてCD5はムーティ、フィルハーモニアと錚錚たる協演者が揃っている。

その他にビーバーのソナタからオペラ・アリアの編曲物、映画音楽からポピュラー・ナンバー、ジャズからムード・ミュージックまでおよそありとあらゆる小品を吹きまくった、気さくで最も彼らしいアルバムになっているのが特徴だ。

勿論彼の膨大なレパートリーを一通りカバーするセット物が欲しい方はエラートから刊行された全4巻計24枚の全集も選択肢のひとつだが、コスト・パフォーマンスとバラエティーに富んだ選曲の面白さから考えると、このセットが理想的で入門者にもお勧めできる。

彼は筆者の少年時代から既にトランペット界のスターだったし、持っていた音楽性の違いを別にすればホルンのデニス・ブレインのような絶対的な存在だった。

ブレインの生演奏に接することは全く不可能だったが、モーリス・アンドレは幸いコンサートを聴くことができた演奏家の一人で、初めて聴いた演奏会ではその名人芸と聴衆の熱狂に圧倒されたものだ。

彼のトランペットについてはもはや多くの言葉を必要としないと思う。

柔らかく、しかも明るく輝かしい音色とどこまでも軽快で天衣無縫な幅広い表現力、そして目の醒めるような超絶技巧であらゆるジャンルの音楽をオールマイティーにこなした天才というイメージが、彼の体格の良さと人懐っこい顔立ちと共に強く印象に残っている。

アマゾンのページの写真ではボックスが正立方体のように見えるが、実際には13X13X厚み5,5cmの大きさで、先にリリースされたデュ・プレの全集と同様に横に引き出すタイプのしっかりした装丁。

ブックレットは43ページで、モノクロ写真がほぼ12ページ分、そして18ページ目以降に曲目と録音データが掲載されている。

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classicalmusic at 00:04コメント(0)筆者のこと | ハイドン 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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