2019年01月13日

アルゲリッチ、仲間たちとの多彩なデュエットの魅力


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マルタ・アルゲリッチ・エディションのソロ及びデュオ編で、実際にはソロ作品は最初のCD1枚のみ、その他の5枚は殆んどが2002年から2010年にかけてのスイス・ルガーノ音楽祭のライヴから採ったデュエットになる。

彼女のピアノ独奏の録音を多く持っていないEMIとしては当然だが、ここに1965年のいわゆる「幻の録音」のショパン7曲が収められている。

既に2007年にリリースされたものだが、ここでは何よりも自由奔放な、彼女の感性の発露が迸るような新鮮さが集約されていて、それは後のアルゲリッチの典型的な演奏スタイルの萌芽とも言えるだろう。

デュエットの幾つかは編曲物だが、例えばブロンフマンとの協演になるプロコフィエフの『古典交響曲』のピアノ版が小気味良く爽快だ。

オリジナル作品としてはメシアンの『アーメンの幻影』でのラビノヴィチとの連弾が印象に残る。

それは神学的な追求云々より、むしろダイレクトで圧倒的な音響効果を狙った解釈のように思える。

またモギレフスキーとのラヴェルの『マ・メール・ロワ』では、メルヘンチックで哀愁を帯びた繊細な表現が美しい。

気軽に楽しめる作品としては、チャイコフスキーのバレエ組曲『くるみ割り人形』、ピアソラの『3つのタンゴ』など盛り沢山の連弾用プログラムがひしめいている。

しかしこうした作品では相手と呼吸を合わせる以上に、お互いの音楽的な接点を見出すことが課題になり、どこまで自分を主張し、どこまで相手を受け入れるかというせめぎ合いと協調もひとつの聴き所だ。

このような、他奏者とのアンサンブルの日常化は、一部の人々が想像するような、独奏家としての何らかの行き詰まりからくる狷┐沖瓩覆匹任老茲靴討覆、アルゲリッチが自己の名声や利益などに関わりなく内心の要求に従ってそうするに至った必然のことに違いない。

音楽家同士が互いに触れ合い、共感し合い、かと思えば刺激し合い、驚き合い、啓発し合う高度なアンサンブルというものに、アルゲリッチは独りの世界からは得られないスリリングな喜びを見つけ、この道を通って、もう一度新たに音楽というものを見極めようとしている。

音質に関しては1965年のセッションに時代相応の弱点、つまり音の分離状態と臨場感にいくらか欠ける点が聞かれるが、その他のものはいずれも極めて良好で、ライヴ特有の演奏者の緊張感と気迫が伝わってくるのも特徴的だ。

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classicalmusic at 20:04コメント(0)アルゲリッチ | メシアン 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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