2019年02月25日

配役の揃ったカラヤンの理想的な『カルメン』、SACDシングルレイヤーで再発売


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レコード史上に残る金字塔、伝説のカラヤン&ウィーン・フィルのビゼー:歌劇『カルメン』がシングルレイヤーによるSACD盤で発売される。

これぞカラヤンの『カルメン』の原点であり、普遍的なカルメン像と言える懐かしい名演奏盤(1963年録音)。

ギローによるレチタティーヴォ版での演奏で、この版がもっているグランド・オペラとしての恰幅の良さを前面に押し出したスケールの大きい演奏である。

何よりも配役が揃っており、カルメン(レオンタイン・プライス)、ドン・ホセ(フランコ・コレルリ)、エスカミーリョ(ロバート・メリル)、ミカエラ(ミレッラ・フレーニ)の主役4人がベストなのが強く、グランド・オペラのスタイルに相応しい名唱である。

プライスのカルメンは男性なら誰もが悩殺されそうな妖艶さと野性味を持ち、低い声域の蠱惑的な声の表情がいい。

彼女は美声のソプラノだが、その上、いかにも男たらしの色気があり、コケティッシュな表情がうまい。

音色の変化も堂に入っており、ピアニッシモが男心をくすぐるが、それでいて音楽が少しも崩れていないところを高く評価したい。

しかも第3幕の「カルタの三重唱」では、前2幕とは全く別人のようなシリアスな訴えを見せる。

更に終幕では、たとえホセに殺されようと、絶対に彼のところには戻らない、という気持ちが赤裸々に出ており、声自体にホセを馬鹿にし切った色があって、これは大したものだ。

コレルリは声と表現の両方で最上の時期にあり、惚れ惚れさせられるが、リリックな美声に充分な張りがあって、圧倒的な声の力で男性的なドン・ホセ像を歌い上げている。

殊に終幕の、自分も死ぬ気の身を投げ出したような歌い方と、カルメンを殺した後の心からの哀しみが圧倒的である。

メリルは男臭く、声もエスカミーリョという伊達男の役にぴったりで、色男ぶりもかっこよくて、フレーニのミカエラも可憐で初々しい。

カラヤンの指揮はアンサンブルが実に緻密で、生々しい色彩や迫力から弱音のデリカシーまで幅が広く、第1幕の「衛兵の交代」では、子供たちの合唱が兵隊の行進を見ている興奮さえ伝えて比類がない。

そして終幕の劇的なクライマックスに至るまで、全場面にカラヤンの棒は確かな目が効いている。

特筆すべきはウィーン・フィルの美感と音楽性で、どんな場面でも決して粗くならず、心のこもった音が出ていて、ドラマがいつも深いものになっており、本場フランスのオーケストラではこうはゆかないだろう。

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classicalmusic at 20:55コメント(0)ビゼー | カラヤン 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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