2019年02月04日

オーディオ界の歴史的イベント、スメタナ四重奏団によるPCMデジタル初録音


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1972年4月に東京の青山タワー・ホールで世界初のPCMデジタル方式による録音が行われた。

それがまさにこの演奏で、このCDにはスメタナ四重奏団全盛期のモーツァルトの弦楽四重奏曲2曲が収められている。

それはその後の多くの名演が一切のテープ・ヒス音から開放されただけでなく、経年変化によるオリジナル・マスターの音質の劣化も劇的に改善されたオーディオ界の歴史的なイベントでもあった。

今回この録音がブルースペックCDとしてリニューアルされ、更にマスターに忠実な音質が得られるようになったことは評価したい。

と言っても工学に疎い筆者は機器を使ったデータがあるわけでもなく、ただひたすら自分の耳を頼りに聴き比べたことを断っておく。

先ず従来のCDと比較して音質的には雑味が払拭された鮮やかさが出ていることと、以前は多少平面的に聞こえた音響空間に奥行きが感じられることなどが挙げられる。

特にスメタナ四重奏団の明るい弦の響きに更に磨きがかかったような艶やかさも加わり、また中低音のバランスも改善されているようで、変化自体は微妙だが、その違いは明らかだ。

価格の面では通常盤の15パーセント増し程度に抑えてあるが、これは最近HQCDも同価格にプライス・ダウンして対抗しているので、熱心なオーディオ・ファンの耳を満足させる為のひとつの試みとしては妥当なところかも知れない。

いずれにせよ、デンオンから続々と名盤を生み出し、永く室内楽の世界に君臨することになる栄光の歴史のスタートを飾ったスメタナ四重奏団の記念すべきアルバムだ。

スメタナ四重奏団は、その活動初期にEMIやウエストミンスターにもモーツァルトの素晴らしい録音を残している。

更に後の1975〜82年に、彼らのモーツァルト解釈の結論としての『ハイドン・セット』全曲をデンオンに録音しているが、これもそれに優るとも劣らない演奏。

会場の違い(日本の方がデッド)や、PCM録音の初期と経験を重ねたものといった違いから、こちらの方がより鮮明で、後のものがより豊かな雰囲気をもつという違いがあるが、解釈に大きな違いはない。

第15番K.421二短調では、曲の内面にまで大胆に切り込んだ彫りの深い表現が聴きものである。

まず第1楽章の底にひそむ不安の影をクローズアップして激しい緊迫感を盛り上げて聴き手をぐっと手元に引きつける。

続くモーツァルトのレクイエムのなかの四重唱を思わせる第2楽章では、慰めの四重奏を聴き手の魂の奥底にまで響かせる。

そしてモーツァルトの「疾走する哀しみ」を弾き出した悲愴感に溢れる終楽章で終わる。

第17番K.458変ロ長調『狩り』も、愛とか、デリカシーとか、歌とか、我々が常識的にモーツァルトに求めるものを百戦錬磨の技術で鮮明に印象づけながら、生命感に溢れる演奏を聴かせてくれる。

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classicalmusic at 20:06コメント(0)モーツァルト | スメタナSQ 

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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