2019年04月12日

馥郁たる薫り、ブラームスのピアノ・トリオ


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カッチェンのピアノ、スークのヴァイオリン、シュタルケルのチェロという名手によるブラームスのピアノ・トリオは音楽的な美しさから言えば現在でも第一線に挙げられる演奏だ。

1967年から68年にかけての録音であるにも拘らず、三者の楽器の音色を生々しく捉えた臨場感のある音質は、当時のデッカの技術水準の高さを証明している。

特に音色の美しさではこのトリオは群を抜いて素晴らしく、また彼らの高い音楽性は馥郁とした薫りを放っていて、聴き手に幸福感をもたらしてくれる。

初めてこれらの曲を聴く方にも躊躇なくお勧めできる。

この3人のコンビの演奏の特色は、ピアノ中心の情感豊かな演奏ということになるだろう。

カッチェンの並外れた演奏技術と音楽の大きさがそうさせるのだろうが、ピアノがやや勝ちすぎの感がなくもない。

ソロの演奏ではエネルギッシュで爽快な印象のあるカッチェンだが、それでもこうしたアンサンブルでは驚くほど抑制を効かせたピアノ・パートに徹している。

トリオ第1番の冒頭の溜息をつくようなピアノの導入に、静かに歌いだすシュタルケルの第一声と、それに重なるスークのヴァイオリンがなんとも素晴らしい。

また第3番のようなドラマティックな曲想の再現でも、彼らはよりリリカルな表現を基本にしているようだ。

CD2枚目の後半では、シュタルケルとのチェロ・ソナタ第2番が入っている。

カッチェンの早過ぎる死によってもう1曲のソナタが録音されずじまいになったのは残念だが、シュタルケルは1978年にジェルジ・シェベックと全2曲のソナタを再録音している。

最後に収められているヴァイオリンの為のスケルツォは、シューマン、ディートリヒとの共作によるヴァイオリン・ソナタの第3楽章をなすもの。

カッチェンがスークと1967年に録音したブラームスの3曲のヴァイオリン・ソナタと時を同じくして行われたセッションのものと思われるが、おそらく収録時間の関係でこちらに入っているのだろう。

カッチェンとシュタルケル、カッチェンとスークの二重奏は録音が古いためか、弦よりもピアノが前面に出てきて、カッチェン主役の傾向を一段と強めている。

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classicalmusic at 20:01コメント(0)ブラームス | カッチェン 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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