2019年03月13日

虚飾を排したブロムシュテット第1回目のベートーヴェン交響曲全集


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ブロムシュテットがシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者だった1975年から80年までに録音した、彼としては第1回目のベートーヴェン交響曲全集になる。

ちなみに第2回目は2014年から17年にかけて、やはりカペルマイスターを務めたゲヴァントハウスとの最新録音が注目されている。

彼はそれぞれのオーケストラの持ち味を活かすことも忘れない指揮者なので一概に両者の演奏を同列に並べて比較することはできない。

とは言え聴き比べて直ぐに気がつくのは、こちらの1回目の演奏の方が全体的なテンポが遅いことだ。

一般的に言って指揮者は、若い頃はエネルギッシュで速めのテンポを設定し、巨匠と言われるようになるとじっくり構えて聴かせどころにより時間を費やす演奏に変化するが、ブロムシュテットの場合はこれに当てはまらないというところに彼の非凡さが窺える。

ここでのプロムシュテットはまだ40代半ばでありながら、驚くべき感性の成熟と自信とに満ち溢れて、虚飾を排したベートーヴェン像を打ち立てている。

オーケストラは両者共に当時の東ドイツの名門だが、音色ではそれぞれ独自のカラーを持っていて、このふたつの音源に関して言えば、ドレスデンの方がよりカラフルに聞こえる。

いずれもブロムシュテット自身の個性を前面に出した解釈ではないが、このドレスデン盤ではダイナミズムにメリハリがあり、曲想が生き生きと再現されている。

それに対してゲヴァントハウスとの全集は緊張感は変わらないが、ヴィブラートを押さえたピリオド奏法を採用して比較的さっぱりした印象の中にベートーヴェンのスコアの緻密なテクスチュアを描き出している。

そのあたりに30年を経過したブロムシュテットの演奏スタイルの変化が表れているのは確かだ。

ドレスデンのルカ教会で収録された音源は当時としてはかなり良質で、オン・マイクでの採音なので臨場感に富んでいるし、教会の広い空間の音響も豊かだ。

肌理の細かさでは2回目のゲヴァントハウスでのディジタル録音に敵わないのは致し方ないとしても、将来高音質盤での復活があってもいいと思う。

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classicalmusic at 20:08コメント(0)ベートーヴェン | ブロムシュテット 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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