2019年03月21日

エイヴィソン・アンサンブルのコレッリ・イヤーにちなむ第2弾


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



ローマ法王庁を中心に活躍した作曲家アルカンジェロ・コレッリは2013年で没後300年を迎えた。

エイヴィソン・アンサンブルはこれを機会に既に2012年から彼の作品集を手がけていて、先ず第1弾としてリリースされたのが作品6の合奏協奏曲集だったが、今回同じく2枚組のSACDで続くのが作品5のヴァイオリン・ソナタ集になる。

このセットでは最後に置かれている『ラ・フォッリーアのテーマによる23の変奏』を含むコレッリのソナタ全12曲を収録している。

バロック・ヴァイオリンはパヴロ・ベズノシュークで、彼を支える通奏低音群がすこぶる充実しているのも特徴だ。

チェロがリチャード・タニクリフ、アーチリュートと5弦バロック・ギターがポーラ・シャトーヌフ、チェンバロ及びボックス・オルガンをロジャー・ハミルトンがそれぞれ担当し、ソナタの曲趣によって楽器を交代させている。

ベズノシュークの演奏は奇を衒ったものではなく、コレッリがこのソナタ集で示した基礎的なヴァイオリンのテクニックを堅実に、しかもシンプルに再現している。

またピッチはバロック室内楽用のa'=392Hzを採用していることもあって、技巧を表に出さない渋みのある落ち着いた情緒があり、繰り返し聴きたくなる演奏だ。

しかしコレッリ自身が優れたヴァイオリニストであったために、この曲集にはダブル、トリプル・ストップやフーガなど難技巧が凝らされていることも事実で、また楽譜には書かれていない緩徐楽章でのイタリア式装飾は慣習的に演奏者のアドリブに委ねられているが、その他にここでは第10番ヘ長調と第11番ホ長調の2つの『ガヴォッタ』のヴァリエーションは、前者がベズノシューク、そして後者がハミルトンの創作になる。

当時はおそらくコレッリ自身が演奏に際して即興演奏を披露したことが想像される部分だ。

コレッリの打ち立てたヴァイオリンの流派は彼の弟子達、ロカテッリやジェミニアーニによってそのテクニックと共に当時のヨーロッパ全体に波及したが、彼より25歳年下のヴィヴァルディにも大きな影響を与えたことを考えると、彼がまさに近代ヴァイオリン奏法のパイオニアだったことが理解できるだろう。

ヨーロッパのヴァイオリン音楽の源流を、できる限りその当時の音で探るという意味でもエィヴィソンの企画は価値の高いものだし、これからの演奏活動にも期待したい。

リン・レーベルの古楽SACDは、先ずその音質の鮮烈さに耳を奪われる。

コレッリの全作品をひとつの古楽アンサンブルが集中的に行ったセッションは、ピーター=ヤン・ベルダー率いるムジカ・アンフィオンの10枚組がブリリアントからリリースされているが、音質に関しては俄然こちらに分がある。

古楽器の音をこれだけ細部まで詳らかに拾って、各楽器の音像を明瞭に保ち、臨場感に溢れる空間を作り出す優れた技術がこのシリーズのセールス・ポイントだ。

CD収納トレーだけがプラスティックの3面折りたたみ式のデジパック入りで、ライナー・ノーツは英語のみの23ページだが、録音データの他に写真入で演奏者も紹介されている。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 19:58コメント(0)コレッリ  

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ