2019年03月23日

典雅な趣味、エィヴィソン・アンサンブルのコレッリ室内ソナタ全曲集


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



エィヴィソン・アンサンブルによるコレッリ・シリーズの第3弾は作品2及び作品4の室内ソナタ集で、ここでもコレッリは2本のヴァイオリンとバスのためのトリオ・ソナタの楽器編成を定着させている。

この演奏では当時の習慣に従って通奏低音にチェンバロ、オルガン及びリュートが曲想に応じて交替し、時には全員参加して雰囲気を盛り上げることもある。

メンバーは第1ヴァイオリンがリーダーのパヴロ・ベズノシューク、第2ヴァイオリンがカロライン・ボールディング、チェロはリチャード・タニクリフ、チェンバロとボックス・オルガンのリチャード・ハミルトン、アーチリュートにポーラ・シャトーヌフの5名。

音質の素晴らしさと相俟って清澄な印象があり、飾り気のない素朴な表現だが、真摯なアンサンブルで歌心にも不足していない。

また現代よりも長二度低いa'=392Hzのピッチを採用していて、特有の典雅な情緒が感じられる。

コレッリの作品全集は既にピーター=ヤン・ベルダー率いるムジカ・アンフィオンがブリリアントから10枚組セットをリリースしているが、解釈の違いや好みはともかくとして音質の面ではこちらの方が格段優れている。

アルカンジェロ・コレッリはヨーロッパのヴァイオリン流派の源泉になった演奏家でもあり、また合奏協奏曲やバロック・ソナタの形式を練り上げ、定着させたことによって後の多くの作曲家に多大な影響を及ぼしている。

またヴァイオリンを習う人が必ず彼の作品を弾くように、基礎的なテクニックを確立させたことでも貢献しているばかりでなく、奇しくもこの時代は名匠アントニウス・ストラディヴァリウスが活躍した時期とも一致していて、イタリアの音楽がヴァイオリンなしには考えられないほど発展していたことが理解できる。

コレッリの弟子達、ジェミニアーニやロカテッリは超絶技巧的な奏法をヨーロッパ中に波及させたが、師たるコレッリは少なくとも楽譜上にはテクニックを誇示するようなパッセージは一音符たりとも書き込んでいないのも事実だ。

この2つの曲集では室内ソナタの形式を持つそれぞれ12曲ずつ計24曲が含まれているが、楽章のタイトルを見るとアレマンダ、コッレンテ、サラバンダ、ジーガなどの比較的親しみ易い世俗的な舞曲が配置されている。

また作品2の第12番は単一楽章のチャッコーナ(シャコンヌ)、つまり繰り返される和声進行に基く変奏曲で、バッハから現代に至る多くの作曲家によって好まれた形式が、早くもコレッリによって芸術的な域に高められているのが興味深い。

既にリリースされたヴァイオリンのためのソロ・ソナタ『ラ・フォッリーアの主題による変奏曲』に見られるように、彼は斬新な試みにも意欲的に挑戦していて、またその作曲法も洗練を極めているが、この作品2には和声法では禁則の平行五度を使って、当時の楽壇で物議を醸したといういわく付のガヴォッタも含まれている。

引き続きリリースされている2枚組の教会ソナタ全集で、エィヴィソン・アンサンブルはひとまずコレッリ自身が認めて出版された作品は全て録音したことになる。

しかしコレッリの作品にはエクストラ・オープスと呼ばれる、彼の真作として判明しているその他の作品群が存在する。

将来こうした曲目についてのセッションも期待したい。

ライナー・ノーツは26ページで、写真入演奏者紹介と興味深い作品解説が英語で掲載されている。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 19:52コメント(0)コレッリ  

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ