2019年09月22日

完結したホプキンソンの2大無伴奏曲集


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



リュート界の巨匠スミス・ホプキンソンは2012年10月に残されていたバッハの『無伴奏チェロ組曲』の前半3曲をテオルボを弾いて録音を果たし、既にリリースされていたバロック・リュートによる後半の3曲を復活させ、これでこの組曲全6曲が揃った。

また彼は過去にアストリー・レーベルから『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』のリュート版も出しているので、バッハの2大無伴奏曲集が完結したことになる。

このCDは前述のチェロ組曲後半の3曲のリイシュー盤で、第5番以外は彼がリュートのためにアレンジした楽譜を使っている。

第4番と6番はオリジナルの調性が採用されているが、ホプキンソンの使用楽器はa'=415のバロック・ピッチに調弦されているので実際には半音ほど低く響いている。

尚第5番に関してはバッハ自身のリュート用編曲版がBWV995として残されているが、彼の弾くリュートの機能をフルに活用するためか原調のト短調を長二度上げたイ短調に移調している。

ただしこれもピッチの関係で変イ短調に聞こえる。

リュートによる無伴奏では、チェロで演奏するのとは全く異なった雰囲気が醸し出される。

チェロのような孤高で力強い表現は持ち合わせていないが、そこにはよりリラックスした和やかさと特有の華やかさが感じられる。

しかし実際の演奏には高度なテクニックが駆使されていることが想像される。

それは対位法の音楽をリュートで弾くことの困難さだけではなく、各声部の音質の調整や音量のバランスなど多くの問題を抱えているからだ。

それゆえこの6曲は彼が長年に亘って開拓したリュート奏法が集約された最良のサンプルと言え、バッハの音楽性に迫りながらも、リュートの繊細な響きを活かしたこの名手ならではの演奏内容だ。

バッハの無伴奏曲で彼が録音していないのは『無伴奏フルートのためのパルティータイ短調』BWV1013で、トラヴェルソ奏者B・クイケンは、この曲がオリジナルが失われてしまったヴァイスのリュート組曲であった可能性を指摘している。

彼は大バッハがトラヴェルソを学んでいた三男のヨハン・ゴットフリート・ベルンハルトのためにアレンジしたのかも知れないと推測している。

そうだとすればホプキンソンの復元による原曲のリュート組曲の演奏も聴いてみたくなる。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 12:12コメント(0)バッハ  

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ