2019年09月30日

コンドラシンの忘れ形見、バイエルン放送交響楽団とのお国物とフランク:交響曲


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バイエルン放送交響楽団創立60周年記念企画でリリースされた自主制作による一連のCDシリーズの1枚。

収録されたリムスキー=コルサコフの序曲『ロシアの復活祭』とフランクの交響曲ニ短調は1980年2月7日及び翌8日のミュンヘン・ヘラクレスザールでのライヴ録音になる。

コンドラシンはその後クーベリックの後を継いでバイエルンの首席指揮者就任が決まっていたが、この客演の僅か1年後に急逝(67歳)したため、期待されていた彼らのコラボは立ち消えになった。

遺された音源はディスコグラフィーを見る限りこのディスクに収録された2曲とショスタコーヴィチの交響曲第13番『バビ・ヤール』のみだ。

ここでは彼の精緻かつ渾身の指揮に総力を挙げて呼応するオーケストラが素晴らしく、また客席からの雑音も殆んど皆無の鮮明な音質で鑑賞できる貴重盤だ。

リムスキー=コルサコフはお国物でもあり、コンドラシンのフィリップスとの唯一のセッション録音『シェエラザード』と共に彼の有無を言わせないほどの説得力が全オーケストラを通じて伝わってくる。

この作品の正式名称は『ロシア正教会聖歌のテーマに基く大オーケストラのための復活祭序曲』で、彼らしいエキゾチックなハーモニーに彩られたオーケストレーションに支えられて聖歌の旋律が自在に展開される。

しかしコンドラシンの解釈は華やかさを狙ったものではなく誠実なスコアの再現を試みたと言えるだろう。

一方彼のスラヴ、ゲルマン系以外のレパートリーはそれほど多くないが、コンサートで好んで採り上げたのがフランクの交響曲で、コンセルトヘボウ管弦楽団ともライヴ録音を遺している。

フランクの交響曲に旧ソ連の指揮者とドイツのオーケストラとは、一見ミスマッチのように思われるかも知れないが、とんでもない。

むしろ西側に出てはじめて本来のキャラクターを生かすことのできたコンドラシンの、最も優れた遺産のひとつだと筆者は思う。

この演奏にはおよそ野暮ったいところがなく、澄んだ叙情がくっきりと全曲を貫いているし、オーケストラの響きも美しい。

この作品は音楽構成と様式で聴かせないと軽佻浮薄でこけおどし的な音楽に陥り易いが、コンドラシンが得意とした曲だけに全楽章を見据えた堅実なオーガナイズと弦楽、ウィンド、ブラス・セクションのバランスが絶妙で、堂々と聳える大伽藍のような印象を受ける。

第3楽章のどこまでも自然な流れが、やがて大きく波打つようにクライマックスに登り詰めてゆく呼吸はとりわけ見事だ。

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classicalmusic at 12:15コメント(0)コンドラシン | フランク 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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