2019年05月18日

ケンペの遺産、英テスタメントからのリマスタリング盤バジェット・ボックス、初CD化音源多数収録


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



ルドルフ・ケンペのオーケストラル・ワーク集は、ワーナーからのイコン・シリーズ11枚組もリリースされているが、中途半端にオペラ全曲盤からの抜粋をカップリングしたために統一感のないものになってしまった。

オペラに関してはケンペの振った多くの全曲盤が入手可能なので、そちらを鑑賞するに越したことはないだろう。

一方こちらの12枚にはオリジナリティーに富んだ彼のレパートリーが幅広く収録されているだけでなく、総ての音源は2002年にテスタメントが独自に新規リマスタリングしたものだ。

リマスターはクリュイタンス・ボックス同様、EMIのARTリマスタリングでもお馴染みのポール・ベイリーが担当している。

ベルリン・フィルとの『エロイカ』や『幻想交響曲』『新世界より』、ロイヤル・フィルとのブラームス第4番や『シェエラザード』、ウィーン・フィルとのワーグナーやJ.シュトラウス等々、ステレオ音源中心のラインナップは実に魅力的で、ケンペの音楽をより深く知るのに最適なセットと言えるだろう。

初CD化音源もモーツァルトやシューマン、ドヴォルザーク、コダーイ、メンデルスゾーンと総計14曲に及ぶヴォリューム感が嬉しいところだ。

1955年のフィルハーモニアとのモーツァルト『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』及び1957年のベルリン・フィルとのドヴォルザーク『スケルツォ・カプリッチョーソ』の2曲は、これまでモノラル盤でしか出ていなかった音源で、ステレオ・テイクを採用した初リリースであることが記載されている。

EMIの正規ステレオLP盤販売は1958年からだが、既に試験的な録音が開始されていた時のサンプルだろう。

共演のオーケストラもベルリン・フィル、ウィーン・フィル、バンベルクなど当時の西側のメジャー・オーケストラで、J.シュトラウスなどの小品やオペレッタの序曲集でも大胆なダイナミズムの中にも軽妙な味わいを出しているのが如何にもケンペらしい。

この12枚は個別売りでも購入できるが、テスタメント盤はミドル・プライス以上の価格なので箱物でのバジェット価格は評価できる(但し、この記事を書いている時点では価格が高騰しているのが残念)。

22ページのライナー・ノーツの殆んどが収録曲目のトラックリストと録音データに費やされているが、後半にケンペのキャリアと当時のHMVとのコラボが英文でかなり詳細に記載されている。

ちなみにケンペのオーケストラル・ワークを集めたセットでは最近スクリベンダムからブラームスやブルックナーの交響曲を収録した10枚組がリリースされたが、これは彼のコレクションとしては欠かせない素晴らしい演奏と良好な音質でお薦めしたい。

当テスタメント盤との収録曲目を比較してみると、曲目のだぶりはブラームスの第4番とドヴォルザークの『新世界より』の2曲だが、いずれも異なったオーケストラによる演奏なので実質的なだぶりはない。

その他特筆すべきセットは、シュターツカペレ・ドレスデンとのリヒャルト・シュトラウスの交響詩全集で、こちらも数年前に発見された保存状態の極めて良好なマスターからリマスタリングされた9枚組になる。

また同様のEMI音源のミュンヘン・フィルとのベートーヴェン交響曲全集の5枚組だが、こちらは既に廃盤になり、ばら売りでのリマスタリング盤が入手できる。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 07:08コメント(0)ケンペ  

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ