2019年08月28日

ドイツの宗教曲の解釈に新たな可能性を拓いた甘美で華麗なジャルスキー初のバッハ、テレマン宗教カンタータ集


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華やかさのある美声と超絶的な技巧を持ち、バロックの声楽曲の解釈で高い評価を受け、人気・実力ともに世代を代表するフランスのカウンター・テナー、フィリップ・ジャルスキー。

彼自身のルーツでもあるバロック音楽に立ち返り、バッハとテレマンの宗教カンタータ集で、初の全曲ドイツ語録音作品をリリースした。

これまでに彼はカストラートのために書かれたオペラを中心とするレパートリーで持ち前の柔らかな美声と無理のないリリカルな歌唱力が高く評価されてきた。

言ってみればイタリアやフランスの恋愛のリリシズムの世界をひたすら歌ってきたわけだが、こうした彼の柔軟で優れた表現力がドイツの宗教作品にも応用できることは彼自身承知していた筈だ。

このCDに収録された4曲のカンタータは、いずれもジャルスキーの甘美で華麗な歌唱で満たされている。

子音を強調しない発音がドイツ語らしくはないが、これまでのドイツの宗教曲の解釈に新たな可能性を拓いたと言えないだろうか。

過去にはルネ・ヤーコプスの例もあるが、彼の声質はアルトなのでジャルスキーの方がより可憐で刹那的な魅力を持っている。

バッハの宗教曲だからといってことさら禁欲的である必要はないと思うが、確かに彼の歌には仄かに官能的な色香が漂っていて、祈りの要素が希薄に感じられるかも知れない。

しかし豊かな表現力がそれぞれの作品に充分な説得力を与えていると同時にピリオド・アンサンブル、フライブルク・バロック・オーケストラの渋めの音色がソロに落ち着きを加えて効果的なサポートをしているのも好ましい。

ボーナスDVDには3曲目のバッハのカンタータ『私は満ち足りて』の全曲レコーディング・シーンが収録されている。

指揮者を置かない小編成のフライブルク・バロック・オーケストラとのインティメイトなアンサンブルが映し出されているが、前回のようなジャルスキーのコメントやインタビューは含まれていない。

三面開きのデジパック入りで34ページほどのライナー・ノーツには録音データ、曲目解説の他に収録曲総てのドイツ語歌詞と英、仏語の対訳が掲載されている。

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classicalmusic at 12:08コメント(0)バッハ | テレマン 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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