2019年05月23日

古楽アンサンブルの妙味、レオンハルト、クイケン兄弟によるテレマンのパリ・カルテット


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テレマンが1737年のパリ旅行中にブラヴェやギニヨンら当時の名手によって演奏され、出版された『新四重奏曲』及び以前ハンブルクで出版されたものの、1736年になってパリで再版された《クヮドリ》の12曲が収録されている。

俗にパリに因むためにパリ四重奏曲集と呼ばれる傑作であるが、ここではクイケン兄弟の揃い踏みにグスタフ・レオンハルトの通奏低音が加わった古楽の重鎮によるアンサンブルの妙味で愉しむことができる。

かつてレオンハルトにはブリュッヘン、ビルスマらが共演した録音があったが、それから30数年を経てクイケン兄弟とともに新たに録音し直したディスクがこれである。

個々の奏者の練達の技と心と優れた趣味による稀にみる名演である。

明快かつ雄弁な音楽的アイディアと互いに交わしあう音楽的対話の生き生きとしたスピリットは本当に素晴らしい。

チェンバロのレオンハルトがアンサンブルの要を押さえているのは確実だが、ソリスト3人のそれぞれのパートの演奏の巧みさと自在な掛け合いが絶妙なバランスを保っている美しさは他の追随を許さない。

またa=396に調律されたバロック室内楽特有の典雅な響きも、この曲集を一層深みのあるものにしている。

落ち着いた渋い音色を基調に繰り広げられる可憐な音楽世界はあくまで自然体で、力んだり奇を衒うことは全くないのだが、その圧倒的な音楽の力に心を奪われてしまう。

三男バルトールドが使用しているトラヴェルソはI.H.ロッテンブルク・モデルで高貴で華やかな音色が弦楽にも良く馴染んでいて秀逸。

一般的にテレマンの音楽では喜遊性が支配的だが、パリ・カルテットのような高度なアンサンブル作品では、作曲技法も非常に凝っていて、音楽性の充実がひときわ抜きん出ている。

通奏低音からガンバを独立させているのもその一例だ。

彼らのように細かな感情の機微も疎かにしない自由闊達な演奏はそうざらには聴けないし、このメンバーで全曲録音をしたことに感謝したい。

鮮明な音質でかつ楽器ごとの分離状態の理想的なソニーの録音技術の良さも特筆される。

テレマンには、この楽器の組み合わせ以外にも、様々なな編成の楽曲を残しているが、このアルバムさえあれば、テレマンの清々しい曲想やバロックの愉しさを体験できるだろう。

それは、ここに集ったレオンハルトとクイケン兄弟という古楽の重鎮たちの息の合った演奏によるところが大きい。

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classicalmusic at 01:45コメント(0)レオンハルト | クイケン 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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