2020年02月05日
オリジナル楽器による軽妙で快活なバッハ、ピエール・アンタイとル・コンセール・フランセー
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2009年に刊行されたナイーヴ・クラシック・コレクション・シリーズの第1巻を飾るボックス・セット。
既にリリースされたCDの廉価盤化だが23X14cmのボックスの中に2枚のCDと文庫本程度の仏、英語によるライナー・ノーツが収納されているコレクション仕様になっている。
当巻はピエール・アンタイのチェンバロ演奏によるJ.S.バッハの作品集で、1枚目はゴールドベルク変奏曲BWV.988、2枚目がチェンバロ協奏曲第3番ニ長調BWV.1054、同第1番ニ短調BWV.1052及び三重協奏曲イ短調BWV.1044で、その間を縫うようにしてプレリュードとフーガBWV.880と892が収録されている。
使用チェンバロはミヒャエル・ミートケの二段鍵盤のコピーでピッチはソロ曲がa=415、協奏曲はa=400。
ミートケのチェンバロはバッハがケーテンの宮廷楽長時代に同楽団用に購入したもので、ブランデンブルグ協奏曲第5番のチェンバロ・パートはこの楽器のために書かれたとされている。
アンタイの演奏は彼の師グスタフ・レオンハルトの真摯で厳格な対位法の再現を踏襲しているものの、テンポは速く、より自由闊達でモダンな表現が特徴的だ。
ゴールドベルク変奏曲では軽妙なタッチと気の利いた独特のセンスが楽器の音色の美しさも手伝って、この大曲を決して飽きさせることが無い。
一方協奏曲集は溌剌としたテンポの設定と歯切れの良いリズム感が従来の古楽のイメージを払拭するほど快活な演奏だ。
尚オーケストラ、ル・コンセール・フランセーは、わずか6名の小編成で日本人ではヴァイオリンの寺神戸亮とチェロの鈴木秀美が参加している。
トラヴェルソ・ソロは兄弟のマルク・アンタイが担当。
古楽の世界ではベルギーのクイケン三兄弟と並んでフランスではアンタイ三兄弟がリーダー・シップを取っている。
彼らも既に単独あるいは合同で多くのCDをリリースしているが更にこれからの活躍が期待される。
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