2019年10月25日

コーガン生誕95周年記念のメロディア盤


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レオニード・コーガン(1924-82)はその類い稀な才能にも拘らず、57歳で亡くなったためにセッション録音はそれほど多いとは言えない。

しかも彼の活動期間はオーディオ黎明期に当たっていて録音技術も旧ソヴィエトと西側ではまだかなりの開きがあったことも事実だろう。

このCD5枚分のメロディアに遺された音源もモノラルとステレオ録音が半々で音質的にも玉石混淆だ。

幸い彼の夫人エリザヴェータ・ギレリスとのデュエット集やムイトニクのピアノ伴奏によるソナタ及び小品集、コンドラシン指揮、モスクワ・フィルのサポートによるショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番、ヴァインベルクのヴァイオリン協奏曲ト短調などはリマスタリングされた良好なステレオ録音で鑑賞できる。

中でもイザイのふたつのヴァイオリンのためのソナタイ短調は採り上げられることが少ない曲目と言うだけでなく、緊張感に溢れる両者のアンサンブルが聴きどころだ。

コーガンのヴァイオリン演奏は、鉄壁のテクニックをベースにしつつ、内容の豊かさを失うことがない申し分のないものと評しても過言ではあるまい。

彼は、テクニックと音楽表現の両面において、筆者個人はハイフェッツやミルシテインにも匹敵する名ヴァイオリニストと考えているが、色々な意味で悲劇的と言える生涯を送った彼は、その真価がなかなか正当には認識されていない傾向があるようだ。

特に日本では、大家と認められながらも、どちらかというと技巧派としての面ばかりに目を向けられてきたきらいがあるが、彼は音楽的な表現力も実に豊かで、もっと高く評価されるべき偉大なヴァイオリニストである。

突然死した彼の死因については、暗殺説もささやかれているが、ここに示された厳しくも彫りの深い表現と輝かしく格調の高い表現の素晴らしさには、この孤高の名手の芸の高さもが如実に映し出されている。

また、理想的なほどに自在で滑らかなボウイングのテクニックも、注目に値するものである。

31ページのライナー・ノーツにはロシア語と英語による彼のキャリアと演奏に関するエピソード、全収録曲目及び録音データが掲載されている。

メロディアでは最近商売気を出してこのセットと同時にやはり5枚組のオイストラフ生誕110周年のアニヴァーサリー・エディションもリリースしている。

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classicalmusic at 12:52コメント(0)コーガン  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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